ビジネス

経済評論家「民主党が政権を失うのは経済にとって好ましい」

2012年の相場の展望はどうなるか。未来予測の達人として政財界に多くの信奉者を持つ「経済の千里眼」こと、国際金融コンサルタント・経済評論家の菅下清廣氏が、2012年の経済情勢を決めるテーマを解説する。

* * *
テーマの1つは、日本の「資産バブル崩壊の最終章」です。もっと端的にいえば、“デフレがついに終わるか”です。1989年のバブル崩壊から、日本経済は20年にわたって「デフレ」「円高」「株安」の三重苦を味わってきました。国内の政治日程を考えると、この長年にわたる資産バブル崩壊の最終章が、2012~2014年にやってくると予測できます。

来年の通常国会では野田政権が消費増税法案の成立を目指し、9月には民主党代表選と自民党総裁選が行なわれます。2013年の夏に参院選、秋には衆院の任期切れを迎えるなど、否が応でも政治は来年、再来年に大きく動きます。

楽観シナリオでいけば、日本経済はついにデフレ経済から脱却します。その条件は、消費増税法案を成立させた民主党政権が来年半ばに解散・総選挙に打って出て敗北し、デフレ脱却を主要政策に据える連立政権が誕生することです。多少、政治的な混乱が続くとしても、社会主義的な政策で民間の活力を奪う民主党が政権を失うことは経済にとって好ましいことです。

一方の悲観シナリオは、その民主党が政権に居座り続けることです。野田政権が復興増税、消費増税だけでなく、法人税、相続税増税を行なう。さらには富裕層に対する課税を強化し、各種控除も廃止。そしてマニフェストを放棄しているにもかかわらず、選挙をやらずに再来年まで政権を維持するようなことになれば、これは超悲観シナリオです。

日本経済は再びデフレの罠に落ち込むという展開で、日経平均4000円台、1ドル=60円台もありえます。つまり、日本が経済大国であった時代がはっきりと終わりを告げ、経済三流国へと転落していくことになります。

※週刊ポスト2011年12月23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン