ライフ

手料理振る舞う「給食系男子」急増 「茶色」の料理に人気が集中

「給食系男子」が作る人気料理

「男子厨房に入らず」などというのはもはや死語。いまは料理を作って食べさせる「給食系男性」がブームだという。自らも厨房で腕をふるう食事情に詳しいライター・編集者の松浦達也氏が、どんなメニューが人気か解説する。ポイントは「茶色」だった。

 * * *
 ブーム、なのだろう。昨年あたりから、「料理」×「男子」が各方面で大人気となっている。料理が得意だという、速水もこみちが朝の情報番組で料理コーナーを持ち、随所にツッコミどころを作って話題になっている。飲食店で働いていたところをスカウトされたという、向井理もレストランを舞台にした『ハングリー!』でシェフ役を演じた。確かに2人のみならず、あちらこちらの出版社から“男子料理本”が出版されている。

 私事で恐縮だが、かく言う僕も「給食系男子」という、オッサン調理ユニットで『家メシ道場』という書籍を刊行させていただいた。一食約100円で、ほぼ3ステップで作れるメニューを100点ほど載録した自炊初心者向けレシピ本だ。

 そのメニューに対する友人の評価が、男女間で如実にわかれている。男性票が集まるのは、とにかく“茶色”なのだ。豚丼や牛めし、納豆キムチうどんに回鍋肉定食など、茶色い食べ物ばかりに票が集まる。確かにしょうゆ、味噌などの発酵食品にはメイラード反応という科学反応で生成される濃厚な旨味がある。

 焼き目をつけた肉や焦がし玉ネギの旨味も同じくメイラード反応によるもの。「茶色はうまい」のは確かだが、それにしても茶色過ぎる。男性相手に手料理を振る舞うときには、「とりあえず、ビール」ならぬ、「とりあえず茶色」でなんとかなるらしい。

 対して女性からの評価はまったく違っていた。女性陣から評価が高かったのは、「バンバンジー風そうめん」や「チキンキーマカレー」など。前者はきゅうり、後者はミックスベジタブルと少しだけ色味に気を使ってみたところ、女子からの評判がやたらいい。

 撮影を担当した女性カメラマンなどは、「カワイイ!」を連発して、カレーの皿の角度を何度も変えながら撮影していた。そういえば、一時期流行っていた、盛りつけのかわいい「カフェめし」も男性は見向きもしなかったが、女性には大人気だった。女性にとってやっぱり「カワイイ」は重要のようだ。

 そして、男女問わず人気だったのが卵。僕が日本一だと思っている、長野県・乗鞍のハム・ソーセージ店の店主も「厚切りのハムステーキに、半熟の目玉焼きの黄身をソース代わりにつけるのが、最高に旨いんですよ!」と熱弁を振るっていた。

 生でよし、焼いてよし、ゆでてよし、混ぜてよし。本書でも、卵の八面六臂の活躍ぶりは尋常でなく、豚丼に落とした生卵や半熟卵、目玉焼きにポテトサラダなど、撮影時から人気を総ざらい。白身と黄身のコントラストは、「カワイイ」ニーズも満たすのか、女子からも熱烈な視線を浴びていた。

 万人ウケするメニューのキーワードは、「茶色」「カワイイ」「卵」! これさえ押さえれば、「家メシ」の評価が格段にレベルアップすること請け合いだ。

●撮影:平沼久奈

関連キーワード

関連記事

トピックス

〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン