ライフ

しんなり野菜が劇的に蘇る“50℃洗い”の方法を考案者が解説

 手間がかかる作業はちょっと…という主婦たちも、いまこぞって試しているのが「50℃洗い」。なんといっても「ただ、50℃のお湯で洗うだけ」で野菜や、肉、魚の食感が劇的に変わり、おいしさがアップ、さらに殺菌もできて保存性も高まる…というのだからやってみない手はない。

「50℃洗い」の発見者であり蒸気技術工学の専門家でスチーミング調理技術研究会代表の平山一政さんに、詳しく話を聞いた。

「温度と料理には密接な関係があります。小さいころ、温泉地で育ったんですが、あちらこちらで温泉蒸気が噴き出していたんですね。蒸気が強いところと弱いところがあるんですが、ほうれん草や白菜などの葉菜は弱い蒸気にうまく当てると色がよくなり、歯ごたえもよく甘みを感じておいしかったんです。そんな経験もふまえながら、実験を重ねて、おいしくて食感もよくなる温度というのは50℃周辺ということにたどりつきました」(以下「」は平山さん)

 まずはその方法を紹介しておこう。

1:湯が冷めないよう、なるべく大きめのボウルに50℃の湯を入れる。

2:食材全体を湯にひたし、野菜は1~3分(トマトは5分)、果物はバナナなら5分(皮の薄いものは2~3分)、魚・肉は2~3分(冷凍ものは5~7分前後)を目安に軽く洗う。

3:43℃以下になると雑菌が繁殖するので、それ以下にならないよう、差し湯で調整する。

4:食材を上げ、ペーパータオルなどで水分を切る。

 水気をよく切った後、野菜はキッチンペーパーに包み、ファスナー付き保存ポリ袋やプラスチックの保存容器に入れて冷蔵庫に入れれば通常よりも長期保存もきく。

「食材が傷む原因となる腐敗菌の多くは50℃の湯で洗うことで死滅(O-157などの食中毒の原因となる細菌は、75℃以上での加熱が必要)するので、鮮度保持力が高まるんですね」

 厳密に50℃を保ったほうがいいのか、という点も気になるが、

「48~52℃であれば、適温です。雑菌が繁殖しないように43℃以下にならないように気をつけてください」。

 キッチン用温度計や給湯器の温度設定機能を使うと便利。ない場合は、沸騰したお湯と水道水を同量まぜると50~55℃前後のお湯になるので目安に。お風呂のお湯よりもかなり熱く感じ、4~5秒以上は手をつけていられない程度。

※女性セブン2012年5月31日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
犯人の顔はなぜ危険人物に見えるのか(写真提供/イメージマート)
元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン