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世界遺産で千年続く“プリティでトンマな”蛙が人に戻る儀式

蛙飛び行事(大青蛙を乗せた太鼓台)

“とんまつり(=とんまな祭り)”をご存じだろうか。『とんまつりJAPAN』(集英社)の著書がある、イラストレーターのみうらじゅん氏が命名したもので、各地で脈々と続く、知られざる祭りのこと。みうら氏はこう語る。

「僕は祭りが日常茶飯事の京都で生まれ育ちましたが、祇園祭など風情のある祭りはカップルで見に行くもんでしたから、モテない男にとっては面白くない日だったんですね(笑い)。

 そんな僕が上京し、最初に注目した祭りは『蛙飛び行事』。そのタイトルからして“これはとんまに違いない”と。行ってみたら、やっぱりポップでファニーでした。そういう祭りだけ『とんまつり』と名づけたんです」

 みうら氏が注目した『蛙飛び行事』は、7月7日、奈良県・吉野町の金峯山寺(きんぷせんじ)で開催される。

 同祭は、世界遺産に登録されている金峯山寺で1000年以上も続いている行事。かつて本尊の「蔵王権現」らを馬鹿にした男が蛙の姿になった。その男が反省し罪を悔い改めると、吉野山の高僧から術を授けられ、人間の姿に戻ったという伝説があり、それを儀式化したものだ。

「蛙飛というぐらいだから、ピョンピョンと飛ぶんだろうと思ったら、這ってました(笑い)。その姿はまさにプリティでトンマな感じでした」(みうら氏)

撮影■辻村耕司

※週刊ポスト2012年8月3日号

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