テレビなどでもお馴染みのエレガント・マナースクール学院長、平林都さん。兵庫県神戸市の閑静な住宅街に建つ4階建てのオフィス兼自宅の前には、白いBMWのオープンカーが強い存在感を放つ。
「車? 1000万円はしたと思うけど、正確にはいくらだったかしら。車検のたびに買い替えていますから、あまり覚えていないんです」(平林さん)
エレガント・マナースクールは、銀行や自動車販売店、病院、料理店などを対象に、お客様への接遇マナーを指導。自ら顧客企業の制服を着て一緒に働きながら指導する平林さんのスタイルが評判を呼び、現在は300社近い顧客を抱えるカリスママナー講師だ。
1年365日のうち300日はそうした接遇指導や講演で全国を飛び回っている平林さん。「年齢と年収は秘密」と明かしてもらえなかったが、1回の接遇指導や講演料が数十万円、ほかにテレビ出演や20万部以上を売り上げた著書もあるから推して知るべし。
清楚でエレガントな雰囲気をまとうのにはお金もかかる。
「娘と買い物に行けば、1回に十数万円は使います。ハンドバッグには常に150万円ははいっています。何があるかわかりませんから」(平林さん)
その一方で、仕事でつきあいのある会社の社長などから贈り物のブランドバッグなども頻繁に届くため、自宅のクローゼットはブランドものでぎっしり。
「皆さん、競うように贈ってくださるんです」(平林さん)
自ら「金銭感覚が壊れている」という平林さんは、母を早くに亡くし、父も家に寄りつかなかったため、叔父夫婦の家で育てられた。「いつも食うや食わずの状態で、友達が身に着けているような洋服も着ることができませんでした。金銭感覚のなさは、その反動なのでしょうね」と自己分析する。
だが、そうした境遇で育ったことが成功への渇望を生んだ。高校卒業後、信用金庫で働きながら茶道や着付けなど多いときは18ものけいこ事を掛け持ちし、27才の時にマナースクールを設立する。
自らの仕事に対しては徹底して厳しい。娘の出産予定日の2週間前まで働き、出産1週間後には講演に赴いた。
「どうせやってもできないとか、子供を見てくれる人がいないとか、悩んだり、いい訳をするのは、時間がもったいない。過去を振り返らず前だけを見て、失敗してもひとつのことを努力して継続することがよい結果につながります」(平林さん)
※女性セブン2012年8月23・30日号