ライフ

ビールを大量に飲みそのまま寝入ると翌朝脳梗塞発症リスク大

 脳梗塞の患者は120万人と推計され、年間約8人が死亡(厚生労働省調査)している。脳血管が詰まり血流が止まると、約4分でその場所の脳組織が壊死し、運動マヒや感覚マヒ、言語障害など様々の症状がおこり後遺症が残ることもある。

 脳梗塞は高齢者の病気と思われているが、30代、40代にもおこる。発症のピークは冬と夏だが、特に夏の起床時に多く発症する。聖マリアンナ医科大学東横病院脳卒中センターの植田敏浩センター長に聞いた。

「独身や単身赴任の男性によく見られるのが、ビールを大量に飲み、そのまま寝入ってしまい明け方に脳梗塞を発症するケースです。ビールは利尿作用があるため、寝ている間に脱水症状で血液がドロドロになり、さらに夜間は血圧が下がることで血管が詰まりやすくなります」

 成人男子では1日平均、尿・便で1.3リットル、呼吸や汗で1.2リットル、合計2.5リットルの水を消費するため、食事や飲料水で1日最低でも2.5リットル以上摂取する必要がある。

 汗を大量にかく夏場に水分摂取量が不足すると血漿浸透圧が上昇し、のどが渇き、尿が濃縮される。水分補給しないと、脱水によって血液が濃縮され循環不全をおこし、酸素や栄養素の運搬や体温調節ができなくなり、熱中症や脳梗塞がおこる。

 脳梗塞は突然おこるのが特徴で、マヒなどの症状が現われる。マヒを調べるポイントは顔と手と言葉の3つで、身体の片方だけに症状がでる。

「マヒの症状があったら、すぐに救急車を呼びます。脳梗塞の治療は時間との戦いです。3時間以内なら血栓を溶かすT-PA治療ができますし、8時間以内であれば大腿動脈からカテーテルを入れて、血栓を取り除く血栓回収治療も可能です。とにかく早く治療を始めることが肝心です」(植田センター長)

(取材・構成/岩城レイ子)

※週刊ポスト2012年9月7日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン