NHK『きょうの料理』『あさイチ』などで人気の料理研究家、“ばぁば”こと鈴木登紀子さん(88才)。今回は秋の味覚「牡蠣」の中でもみんな大好き、「牡蠣フライ」の作り方について語ります。
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ばぁばは、フライにおける女王様だと思っております。これを外はサクッ、なかはプリッとジューシーに揚げられるようになったら、鬼に金棒の花マル奥様ですよ。それでは参りましょう。
まず、牡蠣のむき身を用意します。大粒で新鮮なものをお選びくださいね。下ごしらえですが、私は皮つきのまますりおろした大根おろしをボウルに入れ、その中で牡蠣をやさしくもんで汚れを取ります。次に目ざる(目の粗いざる)に牡蠣を入れ、水を張った大きめのボウルに浸けて、流水の下で牡蠣を手早く振り洗いします。そうすれば、大根おろしは自然と取れます。
水けをよく切り、紙タオルを敷いたバットに牡蠣を並べ、上にも1枚かぶせて軽く押さえて、しっかりと水けを取ります。牡蠣に塩・こしょう各少量を振りましたら、小麦粉、溶きほぐした卵(白身もしっかり菜箸で切りほぐしてください)、パン粉の順に「衣」をつけます。
この後が肝要なのですが、牡蠣を潰さないようにバットに並べて、冷蔵庫で15分間冷やします。揚げる前に冷やすことで、カラッと揚がるのです。
揚げ鍋に油適量を入れ、熱します。パン粉を落として沈みかけてすぐ浮いてくるぐらいが適温。牡蠣を静かに落とし入れ、じっくり揚げます。牡蠣は焦がさず、揚げすぎず、ほどよいきつね色になったら油を切り、揚げ台に取ります。
つけあわせは、キャベツのせん切りを。みじん切りにしたにんじんと合わせれば、目にもきれい。揚げたての牡蠣をいただけるよう、キャベツはあらかじめご用意くださいね。また、レモンと溶きがらしを添えるのをお忘れなく。
※女性セブン2012年11月15日号