芸能

吉田豪×宍戸錠 北海道の最果ての旅館で“逆夜這い”の夜

 日活時代、ハードボイルドスターとして名を馳せた宍戸錠氏(78)には、多くの女性がアプローチをかけてきた。各ロケ地では、界隈の女性が群がり夜も眠れなかったとか。それは北海道の僻地でも同じだったよう。盟友の二谷英明氏らとの思い出深い一夜を振り返ってくれた。

『メルマガNEWSポストセブンVol.39』に掲載されたプロインタビュアー吉田豪氏による珠玉のインタビューの一部を公開する。

 * * *
──日活の仲間、たとえば二谷英明さんとかとはよく一緒に遊んでたみたいですね。

宍戸:英明さんと(小林)旭は同期なんですよ。で、英明さんは一番年上で。

──もともとアナウンサーのキャリアがあって。

宍戸:あれはアナウンサーって言ってるけど、ホントは佐世保の進駐軍の英語のオペレーターだったんです。長崎放送にいたかどうかっていうのはハッキリはわからないの。

──ダハハハハ! そうだったんですか!

宍戸:って俺は疑ってる(笑)。

──ダハハハハ! 二谷さんって、すごい真面目なイメージがあったんですけど…。

宍戸:女性を口説くことに関しては、あいつにかなうヤツはいねえよ(笑)。

──ダハハハハ! 宍戸さんよりですか!

宍戸:俺なんかチャチなもんだよ。三位じゃない。1331人? この野郎っていうぐらいのもんだよ! 裕次郎が怪我して、赤木(圭一郎)が死んでっていうときに、俺たちが一緒に地方ロケに行ったことがあるんですよ。夜、北海道の納沙布岬の北方四島が一番見えるっていう、その旅館の前にキャバレーがあるんですよ、一つ。そこの女の子たちが毎日日替わりで必ず来るんです。泊まってた旅館の戸は鍵付きのドアじゃないから。

──簡単に入ってこられちゃうわけですよね。

宍戸:旅館だから襖にほうきを立てたって無理だよね。だから、寝てるとなんかナイロンの靴下のくせえにおいがするな、おい。なんだろうなって、目をバッと開けると女の子が5、6人ぐらいいる。「えっ、何しに来たの、おまえら?」「見に来たの」「見た?」「見た」「裸も見る?」。

──ダハハハハ! そこでその質問(笑)。

宍戸:「うん、見たい」「よーし、俺も見てえから。いまみんなに電話する。っていうことはヤッてもいいんだな?」「いい」「みんな日活の野郎ってチーケー(ケチ)だから、金持ちはいないから」「そんなんじゃない、俳優さんと一緒にいられるっていうだけで、うれしい」「わかった。(電話して)おい、たー坊(川地民夫)、空いてるかい? いま来てるけど、ヤるぜ。ヤる場所決めろよ」とかね。英明さんはまずヤるよね。向こうが5人いたら俺たちも5人揃えるから。まだ大浴場のお湯を流してるか流してねえかってわかんねえけど、流してねえってわかったら、そこで洗いっこしようぜとか言って、それで俺が一番いい子を最初に決めちゃうの(笑)。あとは持っていけっていうようなことが日常茶飯事で。

──どんな日常だったんですか、それ(笑)。

宍戸:それでも1331人なんだから、こんなもんですよ。

──とある大物の四号さんと関係があったみたいな話を何度かされてた記憶があって。

宍戸:まあ、役者買いが流行ってたわけだよ。育ててやろうとか、そういうのが昔からあるんですよ。これはもう、歌舞伎役者が一番よく知ってらっしゃるかもしれないけど、映画俳優にもたくさんありまして。そういうのは一度、絶対に経験しておかないといけねえなって思うじゃない。だから経験したんだけど、ホントに勃たなくなるわ。金をもらったり、洋服を作ってもらったりしてるとダメなんだよな。金を払う側にならないと勃たないな。だから中途半端になんとなく終わってるっていう(笑)。

<※次号のメルマガNEWSポストセブンに続く>

<宍戸錠氏プロフィール>
ししど・じょう。1933年大阪府生まれ。1954年、日活ニューフェイス第一期生としてトップ合格し、翌55年に『警察日記』でデビュー。タフでハードボイルドな「エースのジョー」として人気を得て、石原裕次郎、小林旭らとともに日活のスターとなる。『拳銃は俺のパスポート』など300本以上の映画に出演してきた。その役者人生を綴った自伝的小説の完結編『シシド 完結編~小説・日活撮影所百周年記念』(角川書店)は11月30日発売予定

※メルマガNEWSポストセブンVol.39

関連キーワード

トピックス

金メダリスト萩野公介の離婚の真相に関係するであろう一文字
【萩野公介・離婚の真相】スピリチュアルな話が増えてmiwaとの夫婦生活に区切り、LINEプロフィールが“漢字一文字”に変わり周囲びっくり
女性セブン
大谷の母・加代子さん(左)と妻・真美子さん(右)
《大谷翔平を魅了》結婚相手・真美子さんの手料理は「お店のようなクオリティ」母・加代子さんの想いを受け継ぐ「温かな食卓の原風景」
NEWSポストセブン
ドジャースの公式Xより
ドジャース山本由伸が韓国遠征で「ジャージー×400万円バーキン」ファッション、なぜ野球選手は“ブランド好き”? かつては「ヴィトン×金ネックレス」が定番
NEWSポストセブン
板東英二のオフィシャルWEBサイトより
《吉田羊が連呼!》板東英二の“ふてほど”出演はあるか? “消息不明”の近況は…仕事オファーも断っている状況、“野球界のレジェンド扱い”も固辞か
NEWSポストセブン
税務職員たちの“カネにまつわる不祥事”が次々と明らかになった
【情報公開請求】税務署職員の懲戒処分144件を調査 カネに関する不祥事が続々「虚偽の確定申告」「不正受給」「勤務中FX15000回」で処分も
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)と妻の田中真美子さん(レッドウェーブ公式サイトより)
大谷翔平の結婚相手・田中真美子さん、抜群の好感度でメディア出演待望論 モデル、キャスター、インフルエンサーなど幅広い分野での存在感に注目
NEWSポストセブン
活動は今年10月で一区切り“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(84)
《右耳聴覚も失っていた》“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(84)が語った「活動は今年10月で一区切り」と「叶えたい夢」
NEWSポストセブン
3月5日に「ガスト」店内と思われる場所で撮影された”調味料一気飲み”の動画が拡散された
《ガストで調味料一気飲み》迷惑動画を撮影・SNS拡散の3人がついに全員謝罪も運営会社は「厳正な対処」を継続方針
NEWSポストセブン
大谷翔平(Getty Images)と妻の田中真美子さん(レッドウェーブ公式サイトより)
【彼女はめっちゃ甘え上手】大谷翔平の結婚相手・田中真美子さん、大学同窓生が明かす素顔「チャラ男は好きじゃない」
NEWSポストセブン
羽生と並んで写真に収まる末延さん(写真はSNSより)
【全文公開】羽生結弦のアイスショーとバイオリニスト元妻のディナーショー、公演日程が丸かぶり 「なぜ同じ日に?」と関係者困惑
女性セブン
元横綱・白鵬の周りでは様々なトラブルが…
元白鵬・宮城野親方に関する「暴行告発状」“白鵬米”販売会で写真撮影をめぐるトラブル「取り巻きが市議にヘッドロック」証言
週刊ポスト
話題になっているジャッキー・チェンの近影(微博より)
《ジャッキー・チェンの現在》今年70歳になる大スターの近影に中華圏で驚きの声あがる「ちょっと急に老けすぎでは」
NEWSポストセブン