国内

乾燥度100年前の2倍 皮膚科医「部位別乾燥ケアが効果あり」

銀座ケイスキンクリニック・慶田朋子院長

11月18日、関東でも木枯らし1号が吹き、寒さもこれからが本番だが、あったかグッズとともに加湿器や空気清浄機も百花繚乱。需要の多さと相まって、年々進化を遂げている。

気象庁発表の東京における相対湿度(※相対湿度とは、その温度における飽和水蒸気量に対するその時の空気中の水蒸気量の比率。一般的な湿度をあらわす尺度)の月平均値によると、1905年12月の湿度は76%だったものが、1985年は55%、2005年は39%と下がり続けているというから、大気の乾燥度が高くなっているのは事実なのだ。

■ストレスや生活習慣病で肌のバリア機能が低下

肌の乾燥にもっとも影響を与えているのが、気温と湿度。肌の水分量に大きく影響しているのが、大気中の湿度である。

乾燥の原因の一つに、「皮脂分泌量」の減少がある。肌の水分量や皮脂分泌量は、1年の気候の変化に伴い、大きく変動する。冬の肌トラブルは、気温と湿度の低下によって引き起こされる。気温も湿度も低下する秋から冬にかけては、皮脂の分泌量が最低になり、皮膚からの水分蒸散量は急速に増加する。それらが、肌のバリア機能の低下させる一因となるのだ。

■肌のパーツごとの特徴を踏まえた乾燥対策を

そして、そんな乾燥した肌のケアとしてこの冬心がけておきたいのが、肌のパーツごとの特徴を知り、それぞれに適した対策を行うことだ。銀座ケイスキンクリニック・慶田朋子院長によると、体のパーツごとに乾燥するメカニズムに違いがあるため、それぞれの特徴にマッチしたケアが必要だという。

「まず、『すね』。『すね』は、そもそも皮脂が出にくい部位です。手のように酷使する部位ではないですが、皮脂が少ないので自然に乾燥してしまい、気付いたらカサカサと粉がふいたり、自覚のないままに『粉ふき肌』になっているということがよくあります」(慶田先生、以下「」内同)

慶田先生によると、「粉ふき肌」になってしまった場合は、ヘパリン類似物質などを含むクリームを毎日塗れば改善するとのこと。さらに症状が悪化すると、「皮脂欠乏湿疹」の状態に。こうなると皮膚科での治療が必要になるという。

次に、「かかと」。慶田先生によると、「かかと」は、身体の全体重がかかるので、刺激から守るために角質が厚くなりやすい。
「そのため皮膚が伸びにくく、乾燥すると割れてしまいやすいという特徴があります。治療には、厚い角層を溶かす尿素を主成分とする薬などを処方することもあります。また、ビタミンA油も皮膚の新陳代謝を高めるので有効です」

最後に「手」。「手」は常に乾燥した外気にさらされているため、日常的に刺激を受け、乾燥によるトラブル症状が現れやすい部位だ。慶田先生は、寒いからといってお湯で手を洗うと、皮脂がより流れ落ちてしまいがちなため、使い捨ての手袋を使うなど、そもそも濡らさないように心がけることを指南する。

何はともあれ、まずは予防。「濡れて乾いてを繰り返すうちに、角層のバリアが壊れ、物理的な刺激に弱くなり、かぶれも生じやすくなります。乾燥肌の予防には、皮膚の水分をすみずみまでしっかりと拭き切って、クリームで保湿することが大切です」(慶田先生)

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン