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誰かの被扶養者の場合確定申告で不利になる人もいると税理士

 確定申告といえば、納め過ぎた税金を還付してもらうケースが多いが、実は個人投資家の中には確定申告すると不利になってしまう例もある。どんなケースなのか、税理士の宝田健太郎氏に解説してもらった。

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 サラリーマンであれば、確定申告で取引の損益通算(損失と利益を相殺すること)は節税につながるケースが多い。しかし、主婦など、誰かの扶養となっている人は注意が必要。主婦が損益通算や損失の繰越控除を目的として確定申告をすると、夫が扶養控除を受けられなくなるケースがあるからだ。

 例えば、妻が10万円の配当金を、10万円の繰越損失と通算するために確定申告をしたとする。妻の所得は10万円増えることになり、他の収入と合算して総所得38万円以下という扶養控除の条件から外れるかもしれない。扶養から外れた場合、配当金にかかる源泉徴収税分は戻るが、夫の所得税が上がってしまい、世帯全体で見ると負担が増えることになる可能性がある。

 また、給与などの他の所得が多く、総所得にかかる税率が10%以上になる人(年間所得330万円以上)は、申告して配当控除を適用すると、源泉徴収される金額よりも多くの税額を支払うことになるので不利。加えて、年末調整を受けた給与以外の所得が20万円以下で、確定申告義務が免除されている人が申告をすると、源泉徴収税率10%を上回るので、申告をすると不利となる。いずれも、事前にきちんと試算をして、損得を考えることが必要となる。

※マネーポスト2013年新春号

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