国際情報

中国企業家 環境保護局長に赤い汚染川で泳げば300万円提供

 中国の病院は今、大気汚染による喉や目の痛みを訴える患者でパンク寸前となっている。だが、国土の汚染は大気だけではない。拓殖大学の原嶋洋平教授(環境政策論)は水の汚染も深刻だと指摘する。

 * * *
「環境問題のデパート」と言われる中国は大気以外にもあらゆるものが汚染されている。

  深刻なのは水の問題だ。「七色の川がある」などと自嘲気味に語られているが、工業廃水などで汚染されて緑や青、紫に染まった河川があちこちにある。中には鮮やかな赤の川に黄色い排水が流れ込んでいる場所もあり、浙江省では「環境保護局長がこの川で泳いだら20万元(約300万円)出す」という企業家まで現われたという。

 昨年末、内陸部の山西省で化学工場から染料の原料として使われる有毒物質のアニリンが大量に漏れ出し、付近の住民の水源である河川へ流れ込む事故が起きた。報道によると、汚染の事実が公表されたのは流出から5日後であり、それまで水を利用していた住民の健康被害が心配される。

 都市では地下水汚染が進行している。中国メディア『南方都市報』は118都市のうち64%で重度の地下水汚染が生じ、33%の都市で軽度な汚染があると報じている。汚染されていないのはわずか3%ということになる。
 
 さらに、ゴミ問題がある。各国で廃棄物規制が厳しくなった結果、「リサイクル資源」が中国に集まっている。中でも「Eウェスト」と呼ばれる電気・電子製品廃棄物は希少金属を取り出した後の大部分がゴミとなる。それは適切に処理されず、野ざらしで放置されるケースが多い。他にも、内陸部では砂漠化が進み、都市部では生活ゴミの処分問題もある。

※SAPIO2013年4月号

関連キーワード

トピックス

遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
フリー転身を発表した遠野なぎこ(本人instagramより)
「救急車と消防車、警官が来ていた…」遠野なぎこ、SNSが更新ストップでファンが心配「ポストが郵便物でパンパンに」自宅マンションで起きていた“異変”
NEWSポストセブン
モンゴルを訪問される予定の雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、「灼熱のモンゴル8日間」断行のご覚悟 主治医とともに18年ぶりの雪辱、現地では角界のヒーローたちがお出迎えか 
女性セブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン