国際情報

高須院長「中国には虫が一匹もいなかった」と汚染深刻化指摘

「中国には虫がいなかった」と汚染を指摘する高須院長

 高須クリニックの高須克弥院長が、世の中のさまざまな話題に提言していくシリーズ企画「かっちゃんに訊け!!」。今回は、日本への影響も懸念されている中国の大気汚染や食物汚染について語る。

 * * *
──日本の春というと花粉の季節ですが、今年はPM2.5や黄砂など、中国の大気汚染による影響にも注目が集まっていますね。

高須:過去の日本を見ても分かるけど、残念ながら大気汚染は繁栄の象徴みたいな部分もあるんだよ。本来は防ぐべきものだけど、高度経済成長期には公害はつきもの。今の中国はとにかく経済成長が第一だから、仕方ない部分があると思う。それに、日本にしても欧米にしてもコストが安いからという理由で、中国の工場を使うわけでしょ。でも、もし中国内での環境保全に対する意識が高まって規制が厳しくなったら、コストは高くなってしまう。そうなると日本や欧米も困る。単純に中国国内だけの問題ではないという側面もあるんだろうね。

──なるほど。ちなみに、院長は最近中国に行かれましたか?

高須:去年、瀋陽に行ったんだよ。ちょうど反日デモが起きる直前でね。帰るのがちょっと遅かったら巻き込まれていたかもしれなかった。

──去年の9月くらいですね。危なかったじゃないですか。

高須:いやあ、そういう意味ではぼくはツイてるんだよ。エジプトに観光に行ったときも、帰国したらすぐにジャスミン革命が起きたからね。あと、そのエジプト旅行で、熱気球にも乗る予定だったんだけど、直前でキャンセルになったんだよ。そしたら、その熱気球が死亡事故だもんね。高須クリニックには熱気球チームっていうのがあって、上空でトラブルが起きた場合にどうすればいいかっていう方法は教えてもらってたんだけどね。

──もしかしたら、もしかしていたかもしれない…ということですもんね。さて、話を戻しますが、中国の様子はどうでしたか。やはり空気は汚かったですか?

高須:瀋陽はそうでもなかったけど、その前に重慶に行ったときは、環境が破壊されてるなって感じた。だって、街なかに虫が一匹もいないんだよ。40年くらい前に中国に行ったときは、とにかくハエが多かったんだよ。おまんじゅうを持っていようものなら、ハエがたかって真っ黒になっちゃうくらいだった。なのに、今では夜の街灯に寄ってくる虫もいなければ、田んぼからカエルの鳴き声も聞こえてこない。大気汚染とか農薬の影響なんだろうね。

──虫も棲めないくらいの環境っていうことですよね。ゾッとします…。

高須:今の日本と比べると、ちょっと考えられないような状態だったよ。もう虫も動物も棲めないくらいに、環境汚染が進んでるんだろうね。このままだと中国の土壌は完全にダメになってしまうと思うよ。絶対にどうにかしないといけない。

 でも、中国人の国民性を考えると、自分の利益、もしくは自分の一族の利益を追求する人がほとんどで、国全体の利益を考える人がものすごく少ないんだよね。だから、環境問題を解決しようとしても、なかなかうまくいかないと思う。その点、日本はムラ社会だったから、環境問題も解決できたんだろうね。国民性の違いは大きいと思うよ。

──ということは、中国の汚染問題はなかなか解決できないということなのでしょうか?

高須:本当なら中国内の問題として解決するべきなんだけど、現時点では相当難しいと思う。中国人の国民性が急に変わることもないだろうし、経済成長を捨ててまで、環境保全を優先するとは思えないし。だから、結局中国内の問題としてではなく、国際的な問題として取り上げるほかないだろうね。日本やアジアの周辺の国、ロシアやアメリカが働きかけるしかない。それが難しいというのであれば、日本がある程度サポートしてあげる必要があるかもしれない。

 本当なら、立場的に日本は被害者であって、賠償してほしいくらいなんだけど…。中国が受け入れるとは思えないしねえ。これ以上日本が実害を被るよりは、援助をしてでも中国の汚染を防いだほうが得策なのかもね。不本意だけどね。

 * * *
 中国の汚染問題の難しさを指摘し、日本の協力の必要性にも触れた高須院長。確かに一筋縄には行かない問題だが、できれば中国内の問題として解決してほしいものだ。ちなみに、高須院長は普段そこまで大気汚染を気にすることはなく、マスクも着用しないという。

【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。

 昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。著書に『バカにつける薬 ドクター高須の抱腹絶倒・健康術』(新潮OH!文庫)、『私、美人化計画』(祥伝社)、『シミ・しわ・たるみを自分で直す本』(KKベストセラーズ)、『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子との共著)など。最新刊は『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)。

関連記事

トピックス

高橋一生と飯豊まりえ
《17歳差ゴールイン》高橋一生、飯豊まりえが結婚 「結婚願望ない」説を乗り越えた“特別な関係”
NEWSポストセブン
西城秀樹さんの長男・木本慎之介がデビュー
《西城秀樹さん七回忌》長男・木本慎之介が歌手デビューに向けて本格始動 朝倉未来の芸能事務所に所属、公式YouTubeもスタート
女性セブン
雅子さま、紀子さま、佳子さま、愛子さま 爽やかな若草色、ビビッドな花柄など個性あふれる“グリーンファッション”
雅子さま、紀子さま、佳子さま、愛子さま 爽やかな若草色、ビビッドな花柄など個性あふれる“グリーンファッション”
女性セブン
有村架純と川口春奈
有村架純、目黒蓮主演の次期月9のヒロインに内定 『silent』で目黒の恋人役を好演した川口春奈と「同世代のライバル」対決か
女性セブン
芝田山親方
芝田山親方の“左遷”で「スイーツ親方の店」も閉店 国技館の売店を見れば「その時の相撲協会の権力構造がわかる」の声
NEWSポストセブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
離婚のNHK林田理沙アナ(34) バッサリショートの“断髪”で見せた「再出発」への決意
NEWSポストセブン
フジ生田竜聖アナ(HPより)、元妻・秋元優里元アナ
《再婚のフジ生田竜聖アナ》前妻・秋元優里元アナとの「現在の関係」 竹林報道の同局社員とニアミスの緊迫
NEWSポストセブン
小泉氏は石破氏に決起を促した
《恐れられる“純ちゃん”の政局勘》小泉純一郎氏、山崎拓氏ら自民重鎮OBの会合に石破茂氏が呼ばれた本当の理由
週刊ポスト
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
大谷翔平(左/時事通信フォト)が伊藤園の「お〜いお茶」とグローバル契約を締結したと発表(右/伊藤園の公式サイトより)
《大谷翔平がスポンサー契約》「お〜いお茶」の段ボールが水原一平容疑者の自宅前にあった理由「水原は“大谷ブランド”を日常的に利用していた」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン