現代美術の分野において「女性器アート」は決して異端ではない。女性器をモチーフに活動するアーティストの中には、「最高の芸術家」と賞賛される存在は数多い。
たとえば、現代女性器アートのパイオニア、フランスのアンリ・マッケローニ氏。1971年に7人の女性の性器を被写体にした写真集『ア・ノワール・コルセ・ブリュ』を世に送り出し、無修正で性器を接写したこの写真集は、世界中から驚きをもって迎えられた。
同じく1970年代後半には、イギリスでも女性の性器を作品の中心テーマに採り入れたペニー・スリンガー氏が登場。他にも、年齢・人種を越えた「剃毛女性器」を接写する「Yプロジェクト」で8億円御殿を建てたペッター・ヘグレ氏や、571人分の女性器の石膏模型を並べた作品『The Great Wall of Vagina』で有名なジェイミー・マッカートニー氏など、いずれも世界的にアーティストとしての評価が高い。
7月8日に発売された『週刊ポスト』7月19・26日号では、袋とじで「女性器アートの4大巨匠」を大特集し、上に紹介した4人のアーティストたちの作品群とともに、その肉声を公開している。
美術史・美術評論家の相馬俊樹氏が「この国におけるアートの閉塞状況に大きな一石を投じる」と評価するこの雑誌特集をきっかけに、日本でも女性器アートについての議論が深まることになるかもしれない。