4年連続の猛暑となっている今夏。熱中症の予防にはこまめな水分補給が欠かせないが、清涼飲料でいま最も活力にあふれているのがエナジードリンク市場だ。2012年は前年比2.2倍の約267億円。2013年以降も拡大が予想される(富士経済調べ)。
先駆けとなったのはオーストリア生まれの炭酸飲料『レッドブル』。若者に人気のエクストリームスポーツを積極的に支援するマーケティング戦略で欧米を中心に売上げを伸ばし、いまでは世界160か国以上で販売されている。
エナジー補給なら栄養ドリンクが定番の日本にも2005年末に進出し、当初は苦戦を強いられたが、「スポーツや遊びで力を発揮したいときに飲むドリンク」として、日本の若者にもクールなイメージを浸透させ売上げを伸ばした。
含有成分から医薬品や医薬部外品として扱われる栄養ドリンクに対して、エナジードリンクの分類は清涼飲料水。肉体疲労時に活力補充を目的に飲むというよりは、「ちょっと気分をアゲたい」というときに飲むリフレッシュ飲料だ。
これまでは『レッドブル』を中心に海外ブランドが市場を席巻してきたが、昨年4月に日本生まれの『ライジン』が市場に参入。甘みの強い海外勢とは一線を画す日本人好みの“大人の味”で差別化を図っている。
「大人は甘みより苦みを好む傾向があります。子供の頃は、“苦くておいしくない”と思われた味が、大人になるとなぜかおいしく感じられる。苦みは経験を積むことで受け入れられる味覚といわれています。『ライジン』はそんな大人が好む味に仕上げました」(ライジンジャパン・マーケティング担当者)
ほかにもアサヒ飲料の「モンスターエナジー」、スターバックス コーヒー ジャパンの「スターバックス リフレッシャーズ」なども登場し、市場が盛り上がりを見せている。
※週刊ポスト2013年8月2日号