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渡辺淳一氏「男性が不能になっても女性は意外に失望感ない」

 自身の体験を通じ、そして小説を通じ、深き性の世界と向き合ってきた作家・渡辺淳一氏は、最新作『愛ふたたび』(幻冬舎刊)で全く異なる世界観を提示した。すなわち、「男たちよ、いいかげん、セックスをあきらめろ」と──。

 渡辺氏は最近のインタビューなどでも、自らがインポテンツになったことを明かしている。氏は3年前、前立腺がんのために抗がん剤治療を受けていることを告白したが、インポテンツになったのはその前のことだという。渡辺氏はいう。

「自分が性的不能になったときは、やはりショックを受けましたね。主人公の<気楽堂>のように『なんとか大丈夫なはず』と、諦めきれない。しかし、何度か試みてダメとなった時、『そういう時が来たんだ』という境地に至りました。
 
 じゃあどうするか。好きな人がいるなら、別の形で愛を育んでいけばいいと、男女の関係を根源から考え直してみたんです。
 
 実は、挿入されることを快感と感じず、よくないと思っている女性も多いのです。女性は必ずしも挿入や射精されることを望んではいない。だから、男が勃起して射精できなくなっても、女性は意外に失望感を持っていない。そこで男性が自信を失うことはないんです。挿入にこだわるよりも、言葉優しく「君が好きだよ」と声をかけたり、肌を愛撫したりして、ゆっくりとベッドを共にする。女性はそれで納得して、むしろ満足してくれるんです」

※週刊ポスト2013年8月2日号

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