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「町内3大美女のひとり」が毎日つまみを作ってくれる角打ち

名物つまみの刺身盛り(500円)と串揚げ(1本100円、注文は3本から)


 ふつう、立ち飲みのできる店は、たばこはあたりまえのようにその場で吸える。しかしここは、カウンターから少し離れた、以前車庫だったスペースを囲ってテーブルと椅子を置き、喫煙所を設けてある。

「客であるわれわれが、たばこが吸いたいよ、たまには座りたいよなんてわがままを言ってこんなスペースを作ってもらったんだけどね。ここにいると寂しくなるんだ。たばこを吸えなくたって、カウンターでみんなと立ち飲みしたい。そのほうが全然楽しいよ」(50代)

 そのカウンターに、気が向くと顔を出すのが、看板猫のナポレオン2世。10歳になるチンチラシルバーのオスで、竜一さんのおかあさんの愛猫だ。店の屋号にもその名を冠してしまったほど猫っ可愛がりのこのおかあさん。名前も年齢も公表してくれないのだけれど、町内の3大美女のひとりとして知られ、客の間でナポレオンと人気度を競っている。

 刺身盛り、串揚げ、ポテトサラダ、牛すじの煮込みなど、酒の品揃えに負けずに評判の高いつまみ類は、実は彼女が毎日奥の厨房で調理してくれている。

「熊本はね、水道の蛇口をひねるとミネラルウォーターが出るのよ。だからみんな肌がきれいだし、お酒も料理もおいしいの」と、愛猫を撫でながらにっこり。

「老若男女と職業とかに関係なく、みんながこんなに仲良くなれるこの空間って、いったいなんなんだろうね」と、常連客のだれもがうれしそうに首をひねっている。わがやんごたる(我が家のような・熊本弁)とみんなが愛してやまないこの店で、今宵もゆらゆらと立ち飲みを楽しめば、その答えはなんとなくわかるのではないだろうか。

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