江戸時代に関する総合的な知識を問う検定試験、第8回江戸文化歴史検定(江戸検)が、11月3日(日)に実施される。1級~3級まで、江戸ブームにハマった団塊世代を中心に大人気の検定。参考書『江戸検クイズ百問答』<事件編><人物編><文化・世相編>に掲載された過去の出題問題から、「江戸の文化・世相」に関する問題に挑戦いただこう。
【問1】リサイクル社会ともいわれる江戸の庶民生活では、古着を買って着ることが普通でした。古着などを売る床店が多く集まっていたことで有名だった場所はどこでしょう?
(い)日本堤 (ろ)アメヤ横丁 (は)柳原土手 (に)日本橋十軒店
【問2】式亭三馬の滑稽本『浮世風呂』によれば、江戸の人々が銭湯で湯に入るときには、ほかの客に湯が飛び散るのを気遣って、ある掛け声を発しました。それは次のうちどれでしょう?
(い)田舎者でござい (ろ)素人でござい (は)馬鹿者でござい (に)与太郎でござい
【問3】江戸時代の旅の心得書である八隅蘆菴著『旅行用心集』には、当時の人々にたいへん役立つ情報が記されていました。では、草鞋の裏に塗りつけておくと、山道での獣や毒蛇・害虫除けに効果があると書かれているものは、何でしょう?
(い)牛の糞 (ろ)火鉢の灰や煤 (は)腐りかけた飯粒 (に)泥がついたままのミミズ
正解は下に。
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【正解】
【問1】(は)。江戸時代には、古着の需要が多かった。反物から仕立てるのは手間がかかり、値も張るので、庶民は既製服感覚で古着を利用した。安価な古着が売買された柳原土手(現在の千代田区岩本町あたり)は、付近の神田川の堤に柳並木があったことから、こう呼ばれた。
【問2】(い)。『浮世風呂』には、「田舎者でござい、冷者でござい、御免なさいといひ……」と、銭湯に入るときに、他の客に対する気遣いが記されている。江戸の人びとは、街中で暮らすマナーを知っていたのだ。
【問3】(い)。八隅蘆庵(やすみろあん)が文化7(1810)年に著わした『旅行用心集』は、初心者が安全に旅行するための心得をまとめたマニュアル本。「牛の糞を草鞋の裏へ塗って山道を歩けば、獣や蛇、まむし、毒虫などは恐れて近づかない」と記されている。当時は、伊勢参りなど庶民の物見遊山がブームになっていた。
※週刊ポスト2013年10月11日号