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【ドル円週間見通し】米FOMCでの量的緩和縮小見送り観測

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、10月28日~11月1日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は、連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリング(量的緩和縮小)が先送りされるとの観測が高まっていることで、上げ渋る展開が予想される。日本銀行金融政策決定会合での追加緩和策、中国人民銀行による金融引締めなどの可能性に警戒する展開となる。

【連邦公開市場委員会(FOMC)】(29-30日)
 FOMCでは、米国9月の非農業部門雇用者数が前月比+14.8万人に留まり、過去6ヶ月間の平均非農業部門雇用者数が+16.2万人となり、テーパリング開始の目安である+20.0万人を下回っていること、米国10月の雇用統計が悪化する懸念が高まっていることで、テーパリングは見送られると予想されている。

【米国10月のADP雇用統計】(30日)
 米国10月のADP雇用統計は、前月比+16.0万人と予想されており、9月の+16.6万人から増加幅が減少することが見込まれている。11月8日に発表される米国10月の雇用統計は、政府機関の一部閉鎖(10月1-16日)の影響で悪化することが予想されており、ADP雇用統計のネガティブ・サプライズに警戒する展開となる。米国10月のISM製造業景況・雇用指数、シカゴ購買部協会景気・雇用指数も、政府機関の一部閉鎖の影響で悪化する懸念が高まっており、ネガティブ・サプライズに要警戒となる。

【日本銀行金融政策決定会合】(31日)
 安倍トレード(日本株買い・円売り)は、米国連邦準備理事会(FRB)の量的緩和縮小という出口戦略、日本銀行の異次元の量的・質的金融緩和という入口戦略が両輪だった。米国連邦準備理事会(FRB)のテーパリングが来年3月以降へ先送りされるという想定外の事態を受けて、黒田日銀総裁による想定外の追加緩和策に警戒する展開。

【米財務省半期為替報告書】
 米財務省半期為替報告書では、アベノミクス(財政出動策・金融緩和策・成長戦略)の結果としての円安に対する見解に注目する展開となる。

【中国人民銀行の金融引締め観測】
 中国人民銀行による金融引締め観測が高まっており、リスク回避の円買い圧力が高まることで、ドル・円の上値は限定的と予想される。また、アジア中銀が外貨準備をドル建てから円建てに移行させている模様で、ドル・円の上値を抑える要因となる。

 10月28日-11月1日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。

○(日)9月完全失業率- 29日(火曜日)午前8時30分発表
・予想は、4.0%
 参考となる8月の完全失業率は4.1%に上昇したが、有効求人倍率は0.95倍に改善している。有効求人倍率は2008年5月以来の水準に上昇していること、8月の有効求人数は前月比+0.5%だったことを考慮すると、9月の失業率は8月実績をやや下回る可能性がある。

○(米)10月消費者信頼感指数 29日(火)日本時間午後11時発表
・予想は、76.0
 参考となる9月実績は79.7で8月の81.8を下回った。期待指数も89.0から84.1に低下している。雇用と収入に対する短期的な見通しへの懸念が再燃したことが指数低下の要因とみられている。10月については、政府機関の閉鎖が嫌気されるものとみられており、9月の数字を下回る可能性が高い。コンセンサスは妥当か。

○(米)10月ADP雇用統計- 30日(水)日本時間午後9時15分発表
・予想は、前月比+16万人
 調査期間である10月12日を含む週の新規失業保険申請件数は、35.8万件に増加した。失業保険継続受給者数に大きな変動はなく中立要因。9月実績を多少下回る可能性がある。

○(米)10月ISM製造業景況指数- 1日(金)日本時間午後11時発表
・予想は、55.1
 先行性のある同指標内訳の9月「新規受注DI」は60.5←8月63.2で低下している。各地区連銀指数は、NYが悪化、フィラデルフィア、リッチモンドは改善。新規受注DIの減少を考慮するとコンセンサスは妥当か。

 主な発表予定は、28日(月):(米)9月鉱工業生産、29日(火):(米)9月生産者物価指数、(米)9月小売売上高、30日(水):(日)9月鉱工業生産指数、(米)9月消費者物価指数、31日(木):(米)10月シカゴ購買部協会景気指数

【予想レンジ】
・ドル・円95円00銭-100円00銭

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