そしてもう一軒、大阪の隆祥館書店にも行った。ここは店主のご両親が60数年守ってきて、今は長女の二村知子さんが引き継いでいる。本が大好き。若かりしころはシンクロナイズドスイミングの元日本代表。

 経営のコツは常連さんの好みの本を置くようにしている。常日頃からお客さんの好みをメモしておいて、それを元に仕入れをするという。僕の本にも付箋が50箇所くらい貼ってあり、読み込んでいることがすぐに分かった。

「いろいろな悩みを抱えている人がいますが、この本なら必ず喜んでくれると思った」という。

 そしてこの書店では160冊売ってくれた。売り場は13坪。小さいけれど本の並べ方が美しかった。本屋さんが本を愛しているのが分かる。彼女の哲学を感じた。

 朝の8時半から深夜の12時まで店を開いている。僕の講演の司会役だった彼女は、感極まって涙をボロボロ流していた。

 一度仕入れた本は全部売り切る。返品しないことで出版社や取次店の信頼を得てきた。その信頼関係がなければ日本の書店は潰れてしまうと考えている。

「“なくなったらアカン”といわれる本屋になります」というのが二村さんの口ぐせ。ほんの少し、その後押しが出来たと思った。

※週刊ポスト2013年12月6日号

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