ライフ

飲んだ後の締めにラーメンが食べたくなる主な3つの理由とは

 忘年会・新年会シーズン真っ盛りだ。繰り返されるお酒が原因の失敗や不可思議な現象。科学的な視点でその仕組みを究明してみる。たとえば、飲み会の後の「締めのラーメン」。翌日後悔したことが何度もあるのにそれでも食べたくなるのはなぜか。

 まず、「酒を飲むと満腹中枢が麻痺する」という理由がある。通常、食事をすると小腸から吸収された糖質が肝臓で分解されグルコースになり、血液中に放出されて血糖値が上がる。脳の視床下部にある満腹中枢は、血糖値が上がるとはたらきが活発になり食欲が失われる。

 ところが、酒を飲むと肝臓は糖質よりもアルコールの分解を優先する(人体はアルコールを異物と認識するので、「解毒」が優先される)。そのため血糖値が上がらず、満腹感が得られない。つまみをたくさん口にしたのに、「まだ締めが食べられるかも」と思うのはこのためだ。

 他にも理由がある。医学博士で健康科学アドバイザーの福田千晶氏の解説。

「肝臓がアルコールを分解するのにエネルギー(糖類)が必要です。そのため消化のよい炭水化物を欲する傾向があります。また、アルコールには抗利尿ホルモンの分泌を抑える利尿作用があります。飲んだ分の最大で1.5倍が排泄されるため、体は失われた分の水分を欲します」

 麺類(炭水化物+水分)を体が欲するのは道理なのである。摂取されたアルコールは主に肝臓でアルコール脱水素酵素(ADH)のはたらきによって酸化され、アセトアルデヒドになる。さらにアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって酸化されて酢酸となるが、ADHやALDHのはたらきを助けるのがイノシン酸という補酵素。これは動物性の旨味成分の一種で、とんこつスープなどに多く含まれる。

 まだある。 「ビールにはカリウムが多く含まれます。人間は体内のカリウムとナトリウムのバランスを一定に保とうとする機能があるので、ビールを大量に飲むとナトリウム、つまり塩分を欲するようになります。そうした理由から『飲んだ後にラーメンが食べたくなる』という現象が起こるのです」(福田氏)

※SAPIO2104年1月号

関連記事

トピックス

鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン