今年11月、任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」を使って、インターネットに接続した12歳の女児が、出会い系サイトを通じて犯罪に巻き込まれる事件が起こった。3DSの特徴は、ゲームをプレイするだけでなく、インターネットに接続できる点にある。ネット接続できるという点は、任天堂から発売されている家庭用ゲーム機「Wii U」も同様であり、ゲーム機を通じて、手軽にネット環境を手にすることができるようになった。
しかし、最近はインターネットリテラシーの足りない子供を巻き込む、悪質な犯罪も少なくない。その対策として、任天堂は、保護者による使用制限機能の設定方法などを詳しく解説するサイトと動画も公開している。
このような状況に、実際にニンテンドー3DSを使う子供を持つ親はどのように感じているのだろうか。小学1年生の子供を持つAさん(主婦・30代後半)は語る。
「3DSはクラス内でもよく流行っているようで、子供も楽しそうに使っています。昔流行っていた携帯ゲーム機の『ゲームボーイアドバンス』などに比べると、インターネットに接続できるのはとても画期的で、びっくりした記憶があります。
うちでは子供の3DSのインターネット利用は制限しています。まだインターネットを使わせるには不安が多いのが理由です。好奇心でいろんなサイトに飛んでしまうこともあると思うので、親の方でも気を配らないといけないでしょう。周りのお子さんも、ネットを使っている子は少ない印象があります。
ただ、自分で操作すれば、その設定を外すこともできてしまうので、このあたりのさじ加減は難しいなと思います。ネットリテラシーを早くから身につけないといけない時代になってきたのだろうな、と思います」
実際に3DSを使っている小学生の側はどう感じているのだろうか。小学3年生のBくんはこう語る。
「僕の3DSはネットにつながらないけど、ゲームができればいいので、大丈夫。特に困ることもないです。ネットを使って犯罪に巻き込まれたりしないですよ! でも、勝手にインターネットを使うなとか、ネットはちゃんと使わないと怖いと学校でもしつこく言われるようになりました。気をつけて使います」
ゲームを楽しむために使われる道具で、子供が犯罪に巻き込まれてしまうことを危惧しているのは、親も任天堂も同じだろう。