ライフ

電車内で泣く赤ちゃんに焦る母親「泣くのが仕事」の言葉に涙

「涙にはストレス解消の効果がある」と、メンタルヘルスケアの専門家である東邦大学医学部名誉教授・有田秀穂さんは言う。泣いた後ってスッキリするけど、最近いつ泣いたっけ? そんなあなたに、28才主婦が電車内で体験した感動エピソードをお届けしよう。

 * * *
 母が急病との連絡を受け、私は1才の娘を連れ、急いで千葉の実家に帰ることに。ところが電車は朝のラッシュ時間帯でとても混雑していたのです。これまでも、子供が泣くのを恐れて、極力この時間帯に乗るのは避けていたのですが、この時ばかりはそうも言っていられませんでした。

 おとなしく寝ていてほしいと願っていましたが、そんなに都合よくはいかず、大勢の人に驚いたのか、娘は大泣き。周囲は、スーツ姿のサラリーマンばかりで迷惑そうですし、あからさまに舌打ちしたり、「うるせえなぁ」とつぶやく人も…。

 娘をあやそうとすればするほど泣き声は大きくなります。気ばかりが焦って、娘の口を手でふさごうか、本気で考えてしまいました。車両にいる全員が、私たちを疎ましく思っている気がして、情けないことに、私のほうが泣きたくなる始末…。

 次の駅で降りてタクシーを使おうと決めたその時、斜め前の席に座っていた男性がふいに立ち上がりました。怒られるのかと身をすくめると、「外の景色を見せてあげるといい」と、席を譲ってくれました。しかも、「赤ちゃんは泣くのが仕事なんだから、気にすることはない」と、励ましてくれたのです。

 現金なもので、外の景色を見始めると、娘はすぐに泣きやみました。でも逆に、思わぬ温かい言葉に、私の方が泣けてしまいました。

※女性セブン2014年1月23日号

関連キーワード

トピックス

和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
犯人の顔はなぜ危険人物に見えるのか(写真提供/イメージマート)
元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン