2008年から続くハイボールブームが一息ついたいま、サントリーのビーム社買収の相乗効果も加わって、輸入ウイスキーブームを呼び起こすことができるか。経済ジャーナリストの永井隆氏が話す。
「日本はビールの消費量が低迷するなど若者のアルコール離れが叫ばれており、少子高齢化が進む今後も国内市場が大きく伸びることは考えにくい。しかし、サントリーの『ザ・プレミアム・モルツ』など高級ビールが売れているように、高品質の価値をしっかり提案できればブランド力や販売力もついてくる。
そういう意味では、ビーム社のバーボンウイスキーも『ジムビーム』で若者向けにカジュアルな飲み方を広める一方、高級ブランドの『メーカーズマーク』で質を訴求できれば、輸入ウイスキーのみならず、アベノミクスで国産の高級ウイスキーブーム再燃も期待できると思います」
もちろん、サントリーにとってはビーム社の持つ米国や新興国での販路を手に入れることで、『響』など国産ウイスキーを世界中に輸出したい狙いがあるはず。
ビールに続き、ウイスキーでもプレミアムブランドの存在感を世界中に見せつけることができるか。そのためには海外メーカーの買収を契機に、国内での新たなウイスキー文化の“醸成”が欠かせないだろう。