──例えばマンションで販売戸数トップの野村不動産は「プラウド」でブランド化に成功している。そうした戦略は採らないのか。
大野:「大和ハウスのマンション」が良い商品だということは浸透させていきたい。ただ、他社の真似はしたくない。
当社は多くの分野で、リスクを恐れずに「業界初」のことをやってきた。先発の優位性を活かすのがウチのやり方だ。二番煎じはしない。
野村さんが「プラウド」としてブランド化したのはうまいと思う。その点ではこちらの負け、相手が一枚上手だった。真似せず違う方法で挽回したい。
──フジタ買収で海外への橋頭堡を築きつつあるが、グローバル展開は緒についたばかりだ。
大野:国内は少子高齢化し、人口が減少する。海外に出るのは必須だ。フジタは海外に多くの拠点を持っているし、技術力も世界トップクラスなので十分戦える。しかし、今は国内で手一杯で、海外に人を割けないというジレンマがある。最近、社内でアンケートをとったところ「海外に出てもいい」という社員が400人弱いた。今後は彼らに期待して、海外展開をスピーディに進めていく。
※SAPIO2014年2月号