それだけではない。2002年の日韓大会でも、移籍によって辛酸をなめた男がいた。日本代表の守護神だった川口能活である。川口は前年10月に横浜F・マリノスからイングランド2部のポーツマスFCに移籍するも、あまり出場機会に恵まれず。日本代表の正GKを楢崎正剛に奪われ、本大会で出場することはなかった。スポーツライターはこう分析している。
「移籍は、ある種の賭け。特に国を移動することは、サッカーの質も変わってくるので、慣れるまでにそれなりの時間が掛かる。柳沢のケースでも久しぶりの日本でのプレーに違和感を覚えたのではないでしょうか。
(中村)俊輔もあのままスコットランドでプレーしていれば、また違った形でW杯を迎えたと思うし、川口も日本に居続ければ試合感が鈍ることなく、本大会も正GKのままだったかもしれません。
本田もイタリアのサッカーに馴染むまで、それ相応の時間がかかるのではないでしょうか。俊輔や川口のように、W杯への影響が出ないといいのですが…。しかし、これまで常識を覆してきた選手ですから、このジンクスも破ってくれることを期待したいです」