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14歳で北京大学入学の習近平主席側近 地方幹部になった理由

 中国の習近平国家主席のブレーンとして知られる李書磊・中央党校副校長が福建省党宣伝部長兼党常務委員として、福建省に転出することが分かった。50歳になったばかりで、沿海部の重要な省の部長級としては異例の抜擢。習氏の腹心中の腹心であり、地方での行政経験を積んで、習指導部第2期目の2017年前後に党政治局入りするなど、今回の人事は将来の習政権の重要部門を担うための布石とみられている。

 李氏は1964年1月、河南省生まれ。幼少時から「神童」と呼ばれるほど頭脳明晰で、14歳で中国トップの名門校、北京大学に入学し、24歳で同大大学院博士課程を修了したほどだ。卒業後、ただちに党の高級幹部を養成する教育機関である中央党校の教師に抜擢され、語文教育研究室主任や文化学教育研究室主任、文史教育研究部主任、訓練部主任や教務部主任など、同校のほとんどの主要部門の責任者を歴任し、現在、最年少の副校長を務める。

 この間、1991年末から1993年初めまで河北省の青龍県の党委副書記、2004年2月から西安市党委副書記を務めるなど、現場での行政経験も積んできた。

 李氏が習氏と初めて会ったのも西安市勤務時代で、習氏はすぐに李氏の優秀さを見抜き、昵懇の間柄となった。2007年10月に習氏が党政治局常務委員に昇格し、中央党校校長を兼務すると、翌年末に李氏を副校長に任命した。当時、李氏は43歳と異例の若さで、「『北京大出身の神童』、異例の抜擢」などと報じられ、李氏の名は一躍、中国中に知れ渡った。

 習氏が党総書記など最高指導者に就任して1年あまりというタイミングで、「股肱の臣」といわれる李氏が福建省の宣伝部長に転出する意味について、『習近平の正体』(小学館刊)の著書もあるジャーナリストの相馬勝氏は次のように語る。

「ほぼ4年後の2017年秋の第19回党大会の人事をにらんでいるのは間違いない。党大会後に、習近平政権の第2期目に5年間がスタートするが、腹心中の腹心である李書磊氏にさらに行政経験を積ませて、中央に呼び戻して、党政治局員に昇格させ、副首相か、党中央委員会の要職に就かせて、政策立案のブレーンとして活用する狙いがあるとみる。

 特に、福建省は習氏が17年間、省長などの幹部を務めてきた、いわば“お膝元”という習氏が勝手知ったる場所で、李氏を幹部として養成しようと親心の表れではないか。明晰な頭脳と深い行政経験を合わせることで、李氏が将来の最高指導者候補に躍り出る可能性も少なくないのではないか」

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