日本人の食生活で欠かすことの出来ないメニューがおにぎりだ。コンビニなどの普及により、今ではおにぎりの形は三角形が一般的となったが、かつては大きな地域差が存在していた。主に東北地方が「円盤形」、関東地方が「三角形」、関西地方が「俵型」、九州地方が「丸形」と分類される。幕の内弁当には「俵型」が入っているが、これは形を整えるために木型で押し抜いたご飯を「まくのうち」と呼ぶことからきている。
コンビニのセブン-イレブンでは、単品商品は三角形か丸形だが、一部商品には俵型を使用。おにぎりとおかずを組み合わせたお弁当に関西では俵型、関東では三角形のおにぎりを入れている。
一般に東日本では「おにぎり」、西日本では「おむすび」と呼ぶことが多いとされているが、これも地域差がある。
近代文化研究叢書3「おにぎりに関する研究」(小田きく子著)に掲載された調査によれば、北海道、関東、四国地方では「おにぎり」「おむすび」の呼び方の割合は半々。近畿地方では「おにぎり」、中部・中国地方では「おむすび」が多数派だった。九州地方では「おにぎり」との呼び名が大多数で、「おむすび」と呼ばれる例はなかった。
中部地方から近畿地方に広く伝わる「朴葉めし」や近畿地方の「めはりずし」も握り飯の一種。千葉県館山市では、形によって呼び名を区別し、俵型を「おにぎり」、三角形を「おむすび」と呼んでいたのだとか。
※週刊ポスト2014年3月7日号