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【日本株週間見通し】木曜の下落が8週連続で方向感は不透明

 また、26日の売買代金が1兆7869億円と、昨年11月20日(1兆7657億円)以来の低水準となるなど、2兆円を下回る薄商いの状況。週後半には不動産など金融緩和メリットで買われていたセクターへの売りが再び目立つなか、リスク回避的な資金の動きが警戒されていた。

 今週は外部要因を見極めたいとの流れから、引き続き方向感の掴みづらい相場展開になりそうだ。米国では5日に米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表されるほか、7日に2月の米雇用統計が発表される。事前予想は、非農業部門雇用者数が15万人増(1月は11万3000人増)となる。また、5日に中国・全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開幕する。

 1月の米雇用統計では雇用者数が予想を大きく下回ったが、失業率の低下が評価材料となっていた。2月も寒波の影響が警戒されるが、失業率については緊急失業保険給付の失効によって低下しやすい(失業者が求職活動を本格化するためとの見方)状況である。失業率改善が再び市場に評価される可能性はありそうだ。米国ではS&P500指数が終値ベースで過去最高値を更新し、節目となる1850ポイントを上回っている。イエレンFRB議長が議会証言で経済見通しに大きな変更があれば量的緩和の縮小を見直すとの見解を示している。米国については資金回帰的な動きが期待されそうだ。

 一方、日本については米国との連動性が薄れているほか、再び緩和メリットセクターへの売りが目立つなか、手掛けづらい。日経平均は25日の上昇で26週線をいったんは突破した。しかし、その後の調整で踏ん張りもみられたが、週末の下げで割り込んでしまっている。同水準が上値抵抗として意識されている局面では、積極的にリバウンドを取りに行くスタンスは厳しいところ。6日には2月のオフィス空室状況が発表される。1月に続いて改善(空室率の低下・賃料の上昇)が見られるようだと、足元で一服している不動産株への見直しに向かわせる可能性もありそうだ。

 そのほか、中国では全人代が開幕する。人民元は28日、ドルに対して過去最大の下げとなったが、全人代を控え、中国政府が景況感を押し上げるために流動性を高めている可能性や、前向きな雰囲気を作り出そうとする傾向があるという。全人代の期間中の為替動向にも注意が必要になろう。

 物色としては名実ともに3月相場入りとなったこともあり、NISA(少額投資非課税制度)需要などもあって配当志向の物色が強まりやすい。また、3月期末が近づくにつれて、借株の返却に伴うショートカバーといった期末特有の動きなども次第に意識されやすく、売り込まれていた銘柄などには関心が向かいやすいだろう。

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