包丁から大工道具まで扱う業界唯一の専門紙『日本刃物工具新聞』、祖母と孫が「い草」取材で世界を巡る『敷物新聞』など、全国には2000を超える業界紙がある。そうした業界紙界隈において、藤岡章浩編集長と4名の記者で作られる『石鹸日用品新報』は、東京・水道橋の雑居ビルに編集部を構える。室内はきれいに整頓され、清潔感が漂い、心なしか石鹸の爽やかな香りが漂っている。
同紙編集部が注目する動きが、「マイソープ傾向」。昨年の9月25日号では「マイソープ傾向が拡大、新たなニーズへの取り組みへ」と題した大特集を組み、話題となった。
「少々高くなっても、自分の好きな香りや色を使いたいという消費者が増えています。最近では、配合成分に柿渋や小麦胚芽、ヨモギ、蜂蜜などを加えた商品が人気です。特に若い女性の間でそうした自分だけの石鹸に対する関心が高い。今年もマイソープをテーマにした特集を中心に据えていくつもりです」
そんな藤岡編集長の「マイソープ」を訊いてみた。
「身体は液体のボディソープですが、風呂で洗顔をする時だけは、どこにでも売られているような1個100円の固形石鹸を使っています。新製品のサンプルを試す機会は多いのですが……。石鹸新聞の編集長の割にはこだわりがないのかもしれませんね(苦笑)」
※週刊ポスト2014年3月14日号