これまでドリンク剤の分野では『アリナミン』(武田薬品)、『チョコラBB』(エーザイ)、『リポビタン』(大正製薬)などのブランドで20~30代の女性向け商品は出されてきたが、エナジードリンクは同じ若年層でも主に男性向けの“尖った”イメージを持たれてきただけに、新たな市場を広げる余地があったというわけだ。
「最近はアクティブに活動する女子学生やOL、主婦などを中心に女性のエナジードリンク需要は伸びています。トクホやドリンク剤ほど効果を求めなくても、手軽に疲れを取りたいとか、リフレッシュしたい、気分を盛り上げたいという時に最適なのです。
ただ、1缶200円程度するエナジードリンクは、消費増税後の節約志向で競争は厳しくなるはず。少しくらい値段は高めでも選んでもらえる明確なコンセプトや価値の訴求ができない商品は、ますます2強に埋もれてしまうでしょう」(前出・宮下氏)
参入メーカーが一気に増え、裾野が広がったおかげでエナジードリンクの市場規模は362億円(2013年見込み/富士経済調べ)まで膨れ上がっている。しかし、日常的に飲用するファンを広め、息の長いブランドに確立させるのは並大抵のことではない。