年度末を迎えてなにかと慌ただしいこの時期。滋養強壮効果が期待できるエナジードリンクでも飲んで「一発気合いを入れ直そう」と思っている人も多いはず。そんな需要を見越してか、エナジードリンク市場は早くも活況を呈している。
ハウス食品グループ(ハウスウェルネスフーズ)が3月17日から発売を開始するのは、“日本”をコンセプトにしたエナジードリンクの『SAMURIDE ENERGY DRINK』。缶のパッケージは馬に騎乗した武士が墨絵で描かれた勇ましいデザイン。成分には日本人が古来より使用してきた「八角」や「ナツメ」、「高麗人参」などが含まれている。
同社がここまで“日本発”を前面に打ち出すのには理由がある。月刊誌『飲料ビジネス』を発行する飲料総研取締役の宮下和浩氏が話す。
「いま缶入りのエナジードリンク市場をリードしているのは、オーストリア発の『レッドブル』と米国生まれの『モンスターエナジー』(アサヒ飲料)。欧米発の逆輸入商品が圧倒的なブランド力を持っていて、その他の清涼飲料メーカーが追随しても太刀打ちできない状況が続いています」
飲料総研の調べによれば、2013年のエナジードリンクは約950万ケース(1ケース30本換算)が出荷されているが、首位のレッドブルは550万ケース、2位のモンスターエナジーは240万ケースで、2ブランドで市場の80%以上を独占している。
まともに2強と張り合っても敵わない。そこで新たな参入組は従来のエナジードリンクとの差別化を図って勝負を挑んでいる。
例えば、昨年7月にセブン―イレブンで発売された『スターバックスリフレッシャーズ』(サントリー食品インターナショナル)はコーヒー豆から抽出したカフェインに爽やか果汁をミックス。スタバブランドを武器に女性の愛飲者を増やしている。
また、味噌メーカーのマルコメが今年3月上旬より発売している『hacco(ハッコ)』は、麹(こうじ)のほかブドウ糖や食物繊維、ビタミン類などの成分も配合。やはり忙しい女性をターゲットにしているという。