夫も家事ができれば、妻はもっと出かけられるし、万一寝こんでも安心だ。それに何より、卒婚への第一歩にも。最近は団塊の世代の男性も堂々と家事を習い、趣味として楽しむ人が増えている。
結成14年目、平均年齢72才。男性だけで活動中というのが、市川メンズ家事クラブ。
「市の講座がきっかけで発足しました。“男だってできる”をモットーに、料理、アイロンがけ、車いすの実習など内容は多岐にわたります。年末は日本ハウスクリーニング協会に依頼し、洗剤の使い分けなども学びました」(同クラブの北村亨さん)
料理が活動の主になるが、買い物も自分たちで行う。
「私自身、スーパーでの買い物は弁当ぐらいで、食材の場所はもちろん、産地や値段の選び方もわかりませんでした。健康管理、奥さんの手助けなど入会のきっかけは多様です。女性の大変さを改めて知り、家事全般を少しでも手伝うようになった人は多いです」(北村さん)
実際、会員からはこんな生の声が挙がっている。
「妻が介護に行く日に料理を。肉じゃがは娘が絶賛!」(井上恭延さん)
「パンを作ると最近は孫が持って行ってしまい、ご近所に配れません」(石川湊一さん)
「掃除も含め、家事は計画的に集中してやっています」(一ノ瀬秀夫さん)
「体調に合うサラダを作ります」(齋藤裕治さん)
「妻と買い物に行ったり、食器は自分で洗うように」(大坪哲生さん)
「妻に料理の質問をするなど、夫婦の会話が増えました」(彦坂直宏さん)
また、全行程ひとりで作るクラスが人気なのは、銀座クッキング。
「奥さんを通して申し込むかたも。全工程をひとりで調理するクラスは、“洗い物ばかりで包丁にさわれない”ことはありません。エプロンの着方、買った野菜は洗うかなど、思いもよらぬ質問も飛び交いますが、皆さん熱心。男性は論理的に説明すると納得し、段取りがよくなる印象です」(講師の菅原和恵さん)
最初は台所を汚したり、買い物に時間がかかるが、それでもほめてあげることが長続きの秘訣。
「包丁はパンしか切ったことがない生徒さんも、半年後には家族や友人にブイヤベースをふるまったそう。釣り好きな人は魚専門のクラスを受講するなど、料理は競争がないので、夫婦共通の趣味としてもぴったりです」(菅原さん)
※女性セブン2014年3月27日号