4年間の鍛錬の成果を本番ですべて発揮したアスリートたちは、その解放感から、性的にアグレッシブになるのだろうか。オリンピックの選手村でコンドームを無料配布するようになったのは、1992年のバルセロナ五輪からといわれている。
ちなみに五輪での配布最多記録は、2012年のロンドン大会。なんと15万個を用意したのに、早くも開幕5日目で品薄に。急遽、追加支給が検討されたという。
先のソチ冬季五輪では10万個を配布。これは2010年のバンクーバー大会と同規模で、冬季五輪としては史上最多タイ記録となった。採用されたのは韓国のトップメーカー「UNIDUS」で、長さ180ミリ、幅53ミリ、厚さ0.065ミリの一般的な製品だったと報じられた。
かつて日本のコンドームメーカー・オカモトも、自国のオリンピックで自社製品を無料提供した。1998年に開催された長野冬季オリンピックでは、日本を代表するコンドームメーカーとして大いに面目躍如を果たした。同社マーケティング推進室主事の林知礼氏がいう。
「配布数は5万個でした。選手村のレストランの通路にコンドームを山盛りにしたカゴを置き、自由に持っていってもらうようにしたようです」
長野大会は72の国と地域から選手・役員あわせて4638人が参加した。
「準備した5万個はすべてなくなってしまったようです。単純計算したら1人10個強ほどになります。実際に使用されたかどうかはわからないですがね(笑い)」
配布されたのは、当時の人気商品「スキンレススキンクラウン」。世界一の薄さ(当時)と、しなやかな装着感は、さぞや諸外国の選手たちを感嘆させたことだろう。林氏は続ける。
「お土産にした選手も多かったと聞いています」
パッケージには大会指定のマスコット「スノーレッツ」が大きく印刷され、中にコンドームが1個入っていた。ポケットに入れて邪魔にならないうえ、コンドームが高価な国も多いだけに、無料配布となればゴソッと持ち帰った選手がいてもおかしくはない。
「ちなみに『クラウン』は長さ170ミリ、幅52ミリ、厚さ0.03ミリという当社のレギュラーサイズでした。欧米選手用にビッグサイズを用意しなくても、当社製品は伸びが良いので十分に対応できたはずです」
※週刊ポスト2014年3月28日号