鈴木会長としては、リーグ全体を考えれば、金田には国鉄に残ってほしい。だが金田個人の権利として、巨人入りもありかなと考えていた。そこで河野を呼んで「お前はどう思う?」と質問。その時の答えは「大向こう(金田)の考え通りがいいでしょう」だった。

 河野は公式記録員として30年間勤めた後、『日刊スポーツ』でイースタンリーグのコラム執筆の仕事をしていた。西武ドームでの二軍戦で、河野とバッタリと会ったことがある。その時側にいた、当時西武の二軍監督だった片平晋作が、河野の人望の厚さをこう語っている。

「河野さんは、球場から駅までよく送ってくれた。時には家に泊めてもらって、朝までというのもザラだったね。イースタンの監督だったら、必ず一緒に一晩はつき合っただろうね」

 若者の指導にも余念がなかった。日本ハムの二軍球場・鎌ヶ谷スタジアムでは、若い連中に正しいスコアブックのつけ方を教える一方で、若い選手にバッティング指導までしていた。その姿を見た中田翔は、当初は「あのオッサン、誰だ?」と訝っていたが、最後には河野の言うことに聞く耳を持っていた。(文中敬称略)

【*注】FA制度の前身にあたる制度。10年間プロでプレーした選手に対して「自由移籍の権利」などを与えた。

※週刊ポスト2014年4月25日号

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
日本テレビの杉野真実アナウンサー(本人のインスタグラムより)
【凄いリップサービス】森喜朗元総理が日テレ人気女子アナの結婚披露宴で大放言「ずいぶん政治家も紹介した」
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン