とはいっても、自分で下調べから手配まですべてするのは、慣れないと難しい。それでもオリジナルな旅をしたいと願う人のために、一から調べずとも旅を成立させやすい便利なサービスが増えている。いずれも既存の旅行代理店ではなく、いわゆるIT企業によって運営されているのが特徴だ。
代表的なものを挙げると「meetrip」は目的地に住む人にガイドを頼め、「kitchhike」では旅先に住む人と一緒に食事を楽しむ約束ができ、「voyagin」は旅行会社経由では見つけにくいユニークで小規模なツアーに申し込める。そして「トリッピース」は、行ってみたい旅先や目的にあわせて旅する仲間の募集から始められる。いずれもfacebookやtwitter、Google+などと連動しており、SNSで共有するのが当たり前になっている。
「オーダーメイドな旅に慣れている人は旅の準備を負担だとは思いませんが、自分好みの旅をしたいと思ってはいるけれど不安な人や、調べるのが苦手で面倒な人にとって、細かいニーズをくみ取ってくれるサービスは親切ですね。これをきっかけに、スマホやネットの便利さを生かして、中身を楽しむ旅行者が増えるといいですね」(前出・吉田さん)
いま、旅行のトレンドは世界一周なのだという。世界を周る旅人たちはブログやSNSを通じて情報発信し、その写真等はボリビアのウユニ塩湖のように「行ってみたい場所」としてSNSを通じて拡散されてゆく。そして、SNSで見た憧れの場所を目的地にした旅人たちが、やはりSNSで募った仲間と一緒にスマホ片手に旅をする。旅とは孤独を噛みしめながら内省するもの、とはいかないのが21世紀の旅の楽しみ方らしい。