「私の趣味のすべてを全部詰め込んじゃいました」と、照れる主人は、邪魔にならないように気遣いながら、常に絶妙なタイミングで常連客の趣味の話に入りこんでくれる。
だから、いまこの小部屋にいる男たちはもちろんのこと、その心がわかる者が集まってくるのはごく自然の流れだ。
「仕事を終えたあとは、こういう遊び心があふれる小部屋で男心をくすぐられながら飲みたい。酒はうまくなるし、疲れも消えてしまいますから」(50代)
「森田さんとは、趣味が一緒で、ずっと前から山を歩いて、写真を撮ってというつきあいです。その匂いが詰まった部屋で飲む酒、うまいですね」(65歳、紙問屋)