ライフ

林家正蔵が真保裕一の新作を絶賛「まさに寝食を忘れる1冊」

 真保裕一氏のサスペンス作品『アンダーカバー 秘密調査』がこのたび単行本として発刊された。ひとりのカリスマ経営者が自らに着せられた無実の罪の真相を追い続け、やがて想像を絶する犯罪計画を暴く──というストーリーだ。落語家の林家正蔵が独自の視点で同作について語る。

 * * *
 先日、富山に仕事で行ったのですが、運悪く台風直撃という時でして、早めに現地に入りました。仕事まで時間ができたので、それじゃあと『アンダーカバー』を手に取ったんですが、これがもう止まらない。面白い小説を読んでいると、寝食を忘れるって言うじゃないですか。『アンダーカバー』はまさにそんな1冊でした。

 真保裕一さんの小説は、『ホワイトアウト』ではまって以来、ほぼ欠かさず読み続けていますが、真保さんの特筆すべきところは、毎回毎回、作品ごとに趣向が異なることです。時代設定も違えば、主人公のキャラも違うし、展開も毎回、工夫が凝らされています。
「今度は何が飛び出すか?」と考えるのは、真保さんの作品を読む前の楽しみです。

 で、今作。フィリピンでの逮捕劇という山場がいきなりやってきたかと思ったら、今度はいきなりイギリスのマフィアですか。さらに、日本、イタリア、トルコ……と世界をまたにかけて小説が展開していきます。謎を残したまま次々と章が切り替わるんですが、「もっと先を読みたい」と突っ走ってしまって、いちいち自分に「オフサイドを取られたよ」とツッコミを入れていました(笑い)。

 ミステリーは海外モノを中心によく読んでいますが、真保さんの構成力は、上質の海外ミステリーに匹敵しますね。場面替えのテンポもさることながら、暗殺者グレイマン・シリーズ(マーク・グリーニー)のような冒険アクションがふんだんに登場しますし、主要人物のひとりの捜査官ジャッド・ウォーカーなどはまるで、ジェフリー・アーチャーの作品から飛び出てきたかのよう。海外ミステリー好きの私はニヤついてしまいました。

 数時間で読み終え、真っ先に口をついて出た言葉は、「もっと読みたい!」。真保さん、お願いです。この続編、書いてもらえませんか?

※週刊ポスト2014年8月8日号

関連キーワード

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン