何かと来場者のマナーの低下が囁かれる海水浴場だが、事業者も同様だ。特に目にとまるのが、海の家の従業員による「呼び込み」。客引きは店の前の狭いスペースに限り認められているが、強引な客引きは禁止されているはず。だが、なかにはルールを守らず店に入るまでしつこくつけ回す悪質な客引きが後を絶たない。江ノ島を訪れた40代主婦の話。
「真っ黒に日焼けした若い男たちが、『うちの店においでよ~』『どこからきたの~』と言いながら肩に手を回したり、腕を触ったりしてくるので、本当に嫌だった。無視していると、進路を塞がれて恐怖を感じた」
なかには駅前からつきまとってくる客引きもいる。都内に住む50代の女性は「しばらく子供だけでは海に行かせたくない」と言う。
「高校生の娘が友達と一緒に海に遊びに行ったところ、駅前でしつこい客引きにあい、嫌になってそのまま電車で帰ってきてしまった。連絡先を聞かれたりして怖かったようです。楽しみにしていたのに、かわいそうでした」(前出の女性)
しっかりとルールを守っている海の家にとっては大迷惑な話だ。湘南に50年住み、片瀬江ノ島で旅館を営む男性が明かす。
「毎年のように強引な客引きをする連中がいて困る。彼らは海の家のイベント招待チケットを作って、六本木や渋谷など都内の繁華街でも配っている。そのせいかガラの悪い客が増えた。規制をかけたことでだいぶ静かになりましたが、他の海水浴場に流れていっているだけでしょう」
※女性セブン2014年8月21・28日号