さらに、もう少し詳しく見ていくと、ベストテンのファンドはいずれも分配金が高い。特に、先の「野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(米ドルコース)毎月分配型」ほか、「アムンディ・欧州ハイ・イールド債券ファンド(トルコリラコース)」「アムンディ・欧州ハイ・イールド債券ファンド(豪ドルコース)」「好配当グローバルREITプレミアムファンド 通貨セレクトコース」「三菱UFJ欧州ハイイールド債券ファンド ユーロ円プレミアム(毎月分配型)」の計5本は、毎月の分配金が200円を超えている。個人投資家は、分配金の高い、毎月分配型ファンドを選好していることが明らかだ。

 月次の分配金が200円を超えるというのは、“高すぎる”水準だ。上半期で最も資金流出が多かったファンドは、「グローバル・ソブリン・オープン(毎月分配型)」だが、このグロソブの月次の分配金は20円。

 20円とは言っても、年間の分配金合計は240円となり、基準価額は5300円程度(8月中旬時点)なので、単純な分配金利回りはおよそ4.5%になる。金融市場の超低金利状態を考慮すると、決して低い利回りおよび分配金ではないのだ。上半期の売れ筋ファンドが提供する200円を超える月次分配金が、いかに高いかがわかるだろう。ここにきて、ファンド間の分配金競争が完全に復活した格好だ。

 高い分配金が一概に悪いとは言えない。“超”が付くような高分配金ファンドであっても、リスクをきちんと理解し、資産運用のニーズに合致していれば、問題はないといえる。しかし、私が所属する楽天証券全体でみても、投資信託デビューした顧客の約3割が、200円超の高分配ファンドを最初の1本目に購入しているというデータがある。ファンドの仕組みをきちんと理解しているとは言えないのが実情だろう。

※マネーポスト2014年秋号

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