国内

週刊誌に朝日内部情報リーク 組織壊れかけているとの指摘も

 9月11日に朝日新聞の木村伊量(ただかず)社長が「吉田調書」誤報と「従軍慰安婦問題」誤報を認め、謝罪する会見を開いてからというもの、朝日新聞の周辺は騒がしいままだ。この件について触れた池上彰氏のコラムが掲載見合わせになったことが週刊誌などに漏れたため、あわてておわびと池上氏のコメントを添えて掲載している。この事件をみると、朝日新聞が危機的な状況にあると作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏は指摘する。

 * * *
 今回の事件は、別の観点からも深刻な問題をはらんでいる。この掲載見合わせに関する情報が、池上氏からでなく、朝日新聞側からリークされたことだ。記者会見で、木村社長は「途中のこととはいえ、途中のやり取りが流れて」と述べているので、問題の所在はわかっている。
 
 新聞や雑誌は編集権を持つ。「あなたの書きたいことならば、何を書いても構いません」というような原稿を著者に依頼することは、編集権の放棄であり、まともな新聞や雑誌ならば絶対に行わない。

 自社の価値観、経済的利益に反するという判断を社として行った場合、新聞や雑誌が、原稿の書き直しを要求することはよくある。著者が書き直しを拒否した場合、あるいは書き直した後の内容でも社の方針と合致しない場合、新聞や雑誌は編集権を行使して、寄稿を拒否することがある。

 従って、認識や利害関係の違いから、著者と編集部の間で、さまざまなやりとりがなされることはよくある。ただし、それについては双方が同意しない限り外部に漏らさないというのがルールだ。そうでないと書き手は、編集部に秘密情報や率直な意見を伝えることができない。

 朝日新聞社のような巨大新聞社は、膨大な情報を有している。その中には、国家機密に属するような情報も少なからず含まれている。編集権をめぐるやりとりの秘匿は、情報源の秘匿と同じくらい新聞社にとっては重要な事項だ。

 池上氏の寄稿を保留した件が外部に漏れた場合、自社にとって重大な不利益をもたらすことを関係者は認識していたはずである。

関連キーワード

関連記事

トピックス

女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
女優・趣里の結婚相手は“結婚詐欺疑惑”BE:FIRST三山凌輝、父の水谷豊が娘に求める「恋愛のかたち」
NEWSポストセブン
タレントで医師の西川史子。SNSは1年3ヶ月間更新されていない(写真は2009年)
《脳出血で活動休止中・西川史子の現在》昨年末に「1億円マンション売却」、勤務先クリニックは休職、SNS投稿はストップ…復帰を目指して万全の体制でリハビリ
NEWSポストセブン
中川翔子インスタグラム@shoko55mmtsより。4月に行われた「フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート2025」には10周年を皆勤賞で参加し、ラプンツェルの『自由への扉』など歌った。
【速報・中川翔子が独立&妊娠発表】 “レベル40”のバースデーライブ直前で発表となった理由
NEWSポストセブン
『ザ・ノンフィクション』に出演し話題となった古着店オーナー・あいりさん
〈一緒に働いている男性スタッフは彼氏?〉下北沢の古着店社長・あいりさん(20)が明かした『ザ・ノンフィクション』の“困った反響”《SNSのルックス売りは「なんか嫌」》
NEWSポストセブン
“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
「仕事から帰ると家が空っぽに…」大木凡人さんが明かした13歳年下妻との“熟年離婚、部屋に残されていた1通の“手紙”
NEWSポストセブン
太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン
『ザ・ノンフィクション』に出演し話題となった古着店オーナー・あいりさん
《“美女すぎる”でバズった下北沢の女子大生社長(20)》「お金、好きです」上京1年目で両親から借金して起業『ザ・ノンフィクション』に出演して「印象悪いよ」と言われたワケ
NEWSポストセブン
奈良公園で盗撮したのではないかと問題視されている写真(左)と、盗撮トラブルで“写真撮影禁止”を決断したある有名神社(左・SNSより、右・公式SNSより)
《観光地で相次ぐ“盗撮”問題》奈良・シカの次は大阪・今宮戎神社 “福娘盗撮トラブル”に苦渋の「敷地内で人物の撮影一切禁止」を決断 神社側は「ご奉仕行為の妨げとなる」
NEWSポストセブン
“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
《“手術中に亡くなるかも”から10年》79歳になった大木凡人さん 映画にも悪役で出演「求められるのは嬉しいこと」芸歴50年超の現役司会者の現在
NEWSポストセブン
花の井役を演じる小芝風花(NHKホームページより)
“清純派女優”小芝風花が大河『べらぼう』で“妖艶な遊女”役を好演 中国在住の実父に「異国まで届く評判」聞いた
NEWSポストセブン
第一子を出産した真美子さんと大谷
《デコピンと「ゆったり服」でお出かけ》真美子さん、大谷翔平が明かした「病院通い」に心配の声も…出産直前に見られていた「ポルシェで元気そうな外出」
NEWSポストセブン
2000年代からテレビや雑誌の辛口ファッションチェックで広く知られるようになったドン小西さん
《今夏の再婚を告白》デザイナー・ドン小西さんが選んだお相手は元妻「今年70になります」「やっぱり中身だなあ」
NEWSポストセブン