芸能

三遊亭圓歌 落語『天皇陛下、初めて落語を聴く』は全部創作

 昭和天皇の生涯を記録した61冊・12000ページにおよぶ『昭和天皇実録』が公表され、改めて昭和天皇とその時代がクローズアップされている。昭和天皇は、われわれ一般国民とどのように接してこられたのか、かつて陛下の前で落語を披露した三遊亭圓歌氏がとっておきの逸話を明かす。

 * * *
 1967年5月、高輪プリンスホテルのホールで御前高座に招かれました。陛下をはじめ、当時の皇太子ご夫妻、常陸宮殿下もお見えになりました。陛下が落語を御覧になるのはこのときが初めてでした。

 演目は当時人気だった創作落語「授業中(山のあな)」(「山のあなた」を「山のあなあなあな……」と言ってしまう吃音の子供の噺)。開演前から膝がガクガク震え、陛下がどこに座っておられるか気にする余裕がなかった。高座が始まりしばらくすると、前列から7列目に陛下が御座りだとようやくわかりました。

 この高座を題材にして、後に私が作った創作落語『天皇陛下、初めて落語を聴く』には、「鳴物禁止で出囃子ができず調子が狂った」「天皇はまったく笑わなかった」「御前高座はもうこりごり」とありますが、実は全部、作り話。御前高座にいらした陛下は他のお客さんと同じ間合いで笑ってくださり、拍手もしてくださっていました。

【PROFILE】1932年東京生まれ。鉄道員を経て1945年に二代目・円歌に入門。1958年に真打昇進。1970年、三代目・三遊亭圓歌を襲名。

※SAPIO2014年11月号

関連記事

トピックス

元KAT-TUNの亀梨和也との関係でも注目される田中みな実
《亀梨和也との交際の行方は…》田中みな実(38)が美脚パンツスタイルで“高級スーパー爆買い”の昼下がり 「紙袋3袋の食材」は誰と?
NEWSポストセブン
5月6日、ニューメキシコ州で麻薬取締局と地区連邦検事局が数百万錠のフェンタニル錠剤と400万ドルを押収したとボンディ司法長官(右)が発表した(EPA=時事)
《衝撃報道》合成麻薬「フェンタニル」が名古屋を拠点にアメリカに密輸か 日本でも薬物汚染広がる可能性、中毒者の目撃情報も飛び交う
NEWSポストセブン
警察官になったら何をしたい?(写真提供/イメージマート)
警察官を志望する人の目的意識が変化? 「悪者を倒したい」ではなく安定した公務員を求める傾向、「事件現場に出たくない」人も 
NEWSポストセブン
カトパンこと加藤綾子アナ
《慶應卒イケメン2代目の会社で“陳列を強制”か》加藤綾子アナ『ロピア』社長夫人として2年半ぶりテレビ復帰明けで“思わぬ逆風”
NEWSポストセブン
2人の間にはあるトラブルが起きていた
《2人で滑れて幸せだった》SNS更新続ける浅田真央と2週間沈黙を貫いた村上佳菜子…“断絶”報道も「姉であり親友であり尊敬する人」への想い
NEWSポストセブン
ピンク色のシンプルなTシャツに黒のパンツ、足元はスニーカーというラフな格好
高岡早紀(52)夜の港区で見せた圧巻のすっぴん美肌 衰え知らずの美貌を支える「2時間の鬼トレーニング」とは
NEWSポストセブン
事務所も契約解除となったチュ・ハンニョン(時事通信フォト)
明日花キララとの“バックハグ密会”発覚でグループ脱退&契約解除となった韓国男性アイドルの悲哀 韓国で漂う「当然の流れ」という空気
週刊ポスト
かつて人気絶頂だった英コメディアン、ラッセル・ブランド被告(本人のインスタグラムより)
〈私はセックス中毒者だったがレイプ犯ではない〉ホテルで強姦、無理やりキス、トイレ連れ込み…英・大物コメディアンの「性加害訴訟」《テレビ局女性スタッフらが告発》
NEWSポストセブン
お笑いトリオ「ジャングルポケット」の元メンバー・斉藤慎二。9ヶ月ぶりにメディアに口を開いた
【休養前よりも太ってしまった】元ジャンポケ斉藤慎二を独占直撃「自分と関わるとマイナスになる…」「休みが長かった」など本音を吐露
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一(右/時事通信フォトより)
《TOKIO解散後の生活》国分太一「後輩と割り勘」「レシート一枚から保管」の節約志向 活動休止後も安泰の“5億円豪邸”
NEWSポストセブン
中山美穂さんをスカウトした所属事務所「ビッグアップル」創設社長の山中則男氏が思いを綴る
《中山美穂さん14歳時の「スケジュール帳」を発見》“芸能界の父”が激白 一夜にしてトップアイドルとなった「1985年の手帳」に直筆で記された家族メモ
NEWSポストセブン
STARTO ENTERTAINMENTの取締役CMOを退任することがわかった井ノ原快彦
《STARTO社取締役を退任》井ノ原快彦、国分太一の“コンプラ違反”に悲しみ…ジャニー喜多川氏の「家族葬」では一緒に司会
NEWSポストセブン