「人件費を抑えるため、100円回転寿司のほとんどが店舗に寿司職人を置いていません。ロボットが握ったシャリに、加工済みのネタを乗せて寿司を〝作る〟のは基本的にアルバイト店員の仕事です」
 
 また、人件費削減の一環として各チェーンはタッチパネル式の注文端末を導入しているが、これには「注文データをリアルタイムで集計し、効率よく売れ筋商品をレーンに流せるので廃棄ロスが少なくなる」(大手回転寿司チェーン関係者)というメリットもあるそうだ。
 
 実際、最近の回転寿司ではレーンに商品があまり流れず、食べたいものをタッチパネルでオーダーする客が増えている。ネタの鮮度に敏感な客が増え、店側も独自の厳しい基準を設けて鮮度管理を徹底するようになったからだ。
 
 たとえば『スシロー』では皿をICタグで管理。レーンを350m(分速7mで50分)回ったネタは自動廃棄し鮮度を保っている。
 
 また『無添くら寿司』では、
 
「タイやハマチなどの鮮魚は皮を引いた時点で鮮度が落ちてしまうので、皮の付いた短冊状態で保管し、注文が入ってレーンに流す直前に皮を引き提供しています」(広報)と、ネタによってはオーダーを勧めているほどだ。前出・米川氏も、「新鮮なネタを食べたいならレーン上に同じネタが回っていても遠慮せずオーダーすべき」とアドバイスする。

※SAPIO2014年12月号

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