ビジネス

回転寿司 ウニやマグロは赤字覚悟もタマゴやエビで採算取る

 懐具合をさほど気にせず、お腹いっぱい寿司を食べられるのが回転寿司の魅力のひとつ。今や牛丼を上回る5000億円市場に急成長した回転寿司業界の儲けの”ネタ”に、ジャーナリスト・鵜飼克郎氏が迫る。

 * * *
 まずは1皿100円の握り寿司を主力商品とする大手回転寿司チェーンの舞台裏を覗いてみよう。国内では『スシロー』『無添くら寿司』『かっぱ寿司』『はま寿司』が”四天王”と呼ばれており、4社合計の店舗数は全国で1300店を超え、全体の3分の1近くに迫る。夕飯時には30分から1時間の空席待ちも当たり前。子連れのファミリー客が多く、カウンターには次々と皿が重ねられていく。
 
 客単価は平均1000円程度とされる回転寿司だが、実は飲食店の中でも食材原価率が高いことで知られている。
 
「全皿が100円均一の場合、原価の高いネタはウニ(85円)、マグロ(75円)、イクラ(70円)など。これらの人気商品には原価をかけ、赤字覚悟で客の満足度をアップさせるのが大手回転寿司チェーン共通の経営方針です」
 
 そう話すのは、回転寿司評論家で『回転寿司の経営学』(東洋経済新報社)の著書がある米川伸生氏だ。
 
「もちろん、ウニやマグロばかり出れば店の利益は薄くなりますが、100円回転寿司はファミリー客の利用が圧倒的に多い。子供が好きなタマゴやエビ、ツナマヨコーン、カッパ巻きなど(いずれも原価20円程度)を食べることで採算が取れるようになっているのです」
 
 外食産業の裏側に詳しい「食品安全教育研究所」代表の河岸宏和氏によれば、厨房でも徹底した合理化が図られているという。

関連記事

トピックス

三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
「秋らしいブラウンコーデも素敵」皇后雅子さま、ワントーンコーデに取り入れたのは30年以上ご愛用の「フェラガモのバッグ」
NEWSポストセブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
訃報が報じられた日テレの菅谷大介アナウンサー
「同僚の体調を気にしてシフトを組んでいた…」日テレ・菅谷大介アナが急死、直近で会話した局関係者が語る仲間への優しい”気遣い”
NEWSポストセブン
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン
クマによる被害が相次いでいる(getty images/「クマダス」より)
「胃の内容物の多くは人肉だった」「(遺体に)餌として喰われた痕跡が確認」十和利山熊襲撃事件、人間の味を覚えた“複数”のツキノワグマが起こした惨劇《本州最悪の被害》
NEWSポストセブン
近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン
2025年10月末、秋田県内のJR線路で寝ていた子グマ。この後、轢かれてペシャンコになってしまった(住民撮影)
《線路で子グマがスヤスヤ…数時間後にペシャンコに》県民が語る熊対策で自衛隊派遣の秋田の“実情”「『命がけでとったクリ』を売る女性も」
NEWSポストセブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン