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再犯率高い高齢受刑者 「ここを出たら苦しみ忘れてしまう」

 現在、日本の女性受刑者は約5000人(男性は約60000人)。国内の10の刑務所に収容されている。そのなかの1つ、山口県の岩国刑務所には381人が収容。受刑者の高齢化が進み、60才以上の受刑者が3割を占めている。認知症で自分の世話すらおぼつかない受刑者もいるという。

「刑務作業ができない受刑者がいます。単独室で生活せざるを得ず、おむつ替えにも食事の介助にも職員の手が必要。刑務所というより老人ホームに近い」(処遇部門幹部職員)

 再犯率の高さも、高齢受刑者の特徴とされる。A子さん(80才)は、窃盗罪で3回目の服役中だ。

「窃盗ばっかし。なんでだかはわからんがね、ハッと思った時にはしていた。それが3回。盗った店はみんな同じで、近所のスーパー。今回は食べ物。でも、もうせん。これが最後じゃのう、と心に決めてな…。ここでの暮らしは嫌い。悪いことばかりしていたら、生きてきた甲斐がないわね」(A子さん)

 しぼりだすようにそう語ると、声を詰まらせた。受刑者番号の入ったタオルを握りしめ、室内に嗚咽が響く──。

「だけどな、ここを出たら苦しかったことを忘れてしまうんよ。誰もそうなんだと思う。でももういや。年じゃけんのう」(A子さん)

※女性セブン2014年12月4日号

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