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2年前の公明党公約 実現は93中7で自民暴走手助けしただけ

 総選挙で問われるべき争点は、現政権が「国民との契約=公約」の実現のためにどこまで取り組んだか、である。前回、自民党は〈日本を、取り戻す〉と掲げて「復興と防災」「経済成長」から「憲法・国のかたち」まで12分野、328項目の公約集(J-ファイル)を発表した。公明党も「日本再建」を看板に93項目の衆院選重点政策を有権者に示した。

  本誌は両党の全政策の達成度を点検した。結果は自民党が公約達成度7.6%(328項目中実現は25)、公明党は7.5%(93項目中実現は7)に過ぎなかった。

 公明党が実現できた公約は「防災・減災ニューディール基本法制定」と「日銀による金融政策の抜本的強化」。防災ニューディールは自民党の国土強靱化法と一本化されて公共事業をバラ撒き、アベノミクスの金融緩和と円安は輸出大企業を儲けさせた。

 しかし、その一方で、「原発ゼロの日本へ」「企業団体献金の禁止」の公約は達成どころか逆に進んでいる。安倍政権は九州電力川内原発の再稼働を推進し、いまや企業献金バブルに沸いているのに見て見ぬふりだ。これでは自民の暴走を手助けしただけといわれても仕方ない。

「平和の党」を看板にする公明党は、外交政策の柱として「核兵器禁止条約の提案」を公約集に盛り込んだ。昨年の国連総会には、「核兵器使用禁止条約」「核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議」などが提案されたが、アメリカに土下座するだけの安倍政権は提案国に加わるどころか、いずれの採決も棄権に回り、またしても物言わぬ卑劣な大国のそしりを受けた。これが“美しい国”の現実である。

 しかも、今回の総選挙にあたって自民党は402項目にのぼる新公約集(J-ファイル2014)を発表。内容は達成できなかった前回の公約がそのままズラリと並んでいる。それを恥じない反国民政党が圧勝するような国では、ますます世界から笑われ、見放されるだろう。

※週刊ポスト2014年12月19日号

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