ビジネス

「ペヤング」の異物混入騒動 クレーム対応は万全だったのか

「ペヤング」のブランドは復活できるか

 即席麺の有名ブランド『ペヤング』を製造する「まるか食品」が、1人の消費者クレームによって全2工場での生産休止に加え、全23商品の返品を受け付けるという事態にまで追い込まれている。

 事の経緯はこうだ。12月2日、大学生と見られる消費者が<ペヤングからゴキブリが出た>として、ツイッターに“証拠写真”を投稿。翌3日、まるか食品と保健所に連絡を入れたところ、それぞれ担当者の訪問を受け、問題の商品を調べるために持ち帰ったという。

 ところが、まるか食品の対応に不満を抱いた大学生が、<お互いのためが云々いって圧力かけてくるあたりカチンときた>と、写真の削除依頼を受けた旨を再びツイッターに書き込んだため、ネット上で大きな話題に。

 双方の詳しいやり取りについては明らかになっていないが、同社は当初「工程上、混入は考えられない」とコメントしていただけに、大学生のクレーム内容に不信感を抱いていたのかもしれない。

 結局、外部の調査機関が「製造過程でのゴキブリ混入の可能性は否定できなかった」と分析したことから、同社は該当商品など5万個の自主回収だけでは済まず、全工場の設備を改修する決断をしたという。

 ペヤングの1件に限らず、食品苦情はメーカーにとって一番悩ましい問題である。

 2000年以降、雪印乳業による集団食中毒事件や毒入りギョーザ事件、直近ではマクドナルドの保存切れナゲット問題などが起きた影響もあり、食の安心・安全に対する消費者の目は年々厳しくなっている。

 東京都(福祉保健局)に寄せられる食品苦情件数だけ見ても、2008年から2012年度までの5年で4000件を下回った年はない。その内容は髪の毛や小虫のような異物混入から、腐敗、カビ、異臭、変色など様々だ。

 ある大手食品メーカーの担当者はこんな内情を打ち明ける。

「異物混入の指摘を受けて調査をしても、異物の正体は何で、どんな原因で混入したのか特定できないものがほとんどです。だからといって迅速な対応を取らないと、ネットを通じてあっという間に悪い評判が拡散されてしまう時代。そうならないように事故対応マニュアルに則り、粛々と処理していきます」

関連記事

トピックス

和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
犯人の顔はなぜ危険人物に見えるのか(写真提供/イメージマート)
元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン