また、総生産量が下がり続けていた「日本酒」の下降曲線もそろそろ底を打ちそうなカーブとなっている。しかも手のかかる手法に取り組む蔵元が増え、切磋琢磨と情報交換を繰り返し、醸造技術が飛躍的に向上。各蔵元のフラッグシップとなる酒に、新世代の日本酒ファンが殺到するというブームが局所的に起きていて、拡大の兆しが見える。ワインが苦手とする魚介だけでなく、肉などにも合う日本酒も認知を得ていくはずだ。

 ほかにも、調味料の量を簡単に調整できるスプレー調味料、食物繊維が豊富で保水力の高いウージーパウダー(サトウキビの線維)など、シニア層を中心とした健康意識の高まりと相まってブームとなっていくアイテムもありそうだ。

 消費税増税が先送りされたことで、2015年も中食の人気は続くだろうが、増税先送りの恩恵と同時に、円安により輸入食材の仕入れ値高騰も起きている。

 外食産業は正念場だ。外食においてはソーシャルメディアへの食事メニューの投稿が当たり前となった結果、「料理がおいしそうに撮れる店」がさらに増える。飲食店のリノベーションの際、施主から建築士へ「地明かりでいい感じに撮れるように」というリクエストが増加していると。

 食にまつわるトレンドは、さまざまな要素によって変化する。そして、こうしたトレンド予測の範疇の外側から、彗星のごとく現れるトレンドもまた食の楽しみのひとつでもある。2015年もおいしい1年になりますよう、お祈り申し上げます。

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