干支にこだわるのは結婚だけではなかった。
「赤ちゃんは羊年ではなく、その次の申(猴)年生まれにしなさいよと郷里の親に念押しされました。来年3月に出産予定日を控えた友人夫婦は、なんとしても馬年生まれのベビーが欲しいと、帝王切開を決断したそうです」(前出・男性)
というほどに、根深く息づいている地域もあるようだ。実際に生まれ干支として人気が高い龍(辰)年や馬年と、不人気の羊年や虎(寅)年とを比べると、ひとつの産院で1000人以上も出生数が違ってくるのだという。
迷信に従うことで人口バランスが不均衡になり、特定の学年の子供たちが受験など競争がやたらと激化するというデメリットがあるのだが、それでも人気干支にしたいらしい。
政府系新聞「人民日報」をはじめとする中国メディアも<生まれ年と運勢の関係はなく、根拠なき迷信だ>と常々強調しているが、人民たちはそれを断ち切ることができないでいる。
これも政府不信の一種というべきだろうか。