「国交省の言い分としては、莫大な公的資金で救済したJALに対する追加支援になりかねない、というものでした」(スカイマーク幹部)
国交省サイドはスカイマークに対して、共同運航そのものは問題ないがそれをやるのであれば、【1】JALと全日空の2社、もしくは【2】全日空単独、のどちらかしか認められない、と迫ったのである(【1】に決着の予定)。
国交省のこうした“要請”は、まさに行政指導そのものだ。確かに日本の法律では、国交省が共同運航の可否を判断する権限(許認可権)を握っている。しかし共同運航するかしないかは、あくまで民間ベースのビジネスの話であり、そこに行政が首を突っ込むことは、異常と言えよう。事実、ここ近年、国交省がこの“権限”を行使したケースはゼロだ。
それにしてもなぜ国交省は、そんな異常な対応をとったのであろうか。
「民主党政権下で経営再建を果たしたJALは、安倍官邸と自民党にとって、まさに憎悪の対象になっている。そうした意味でJALに絡む問題は、政治案件なのです」(自民党有力国会議員)
ならば今回の一件は、安倍官邸、あるいは自民党が動いたのだろうか。
「われわれは、まったくノータッチ。選挙もあってそれどころじゃなかった。国交省の航空局長クラスが勝手にやったことだろう」(官邸中枢スタッフ)
ある意味、スカイマークの命運を握る国交省の責任は重大だ。
文/須田慎一郎
※SAPIO2015年2月号