投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、2月23日~2月27日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言や月末が期限となっているギリシャ救済プログラムの協議に注目する展開となる。月末に向けて本邦機関投資家のリパトリ(外貨建て資産売却・円買い)が予想されるため、円買い要因となるが、2015年度には年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨建て資産の投資増額が計画されている。こちらは、将来的な円売り要因となるため、ドル安・円高が急速に進行する可能性は低いとみられる。
【イエレンFRB議長の議会証言】(24-25日)
イエレンFRB議長は、24日に上院銀行委員会、25日に下院金融委員会で金融政策および経済情勢に関する半期に一度の議会証言を行う。1月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録は、平均時給の低迷、コアインフレ率の低迷、ドル高や原油価格下落への警戒感が示されたことで「ハト派」的な内容だった。
イエレンFRB議長がFOMC議事録のハト派的な内容に同調した場合は、ドル売り材料、従来通りに4月以降の利上げ開始の可能性を再確認した場合は、ドル買い材料となる。
【米国の1月のインフレ率】(26日)
米国の1月のコアインフレ率は、前年比+1.6%と予想されており、12月の前年比+1.6%と変わらずと見込まれている。1月のFOMCでは、原油価格など商品市況の低迷、賃金上昇率の低迷、ドル高の進行などで、インフレ目標(+2.0%)を下回る低インフレ率の長期化が警戒されており、利上げ時期の先送り観測を高めることになる。
【日本の1月のインフレ率】(27日)
日本の1月のコアインフレ率は、前年比+2.3%と予想されており、12月の前年比+2.5%からの低下が見込まれている。消費増税の影響(+2.0%)を排除した場合、コアインフレ率は前年比+0.3%まで低下することになり、原油価格が続落した場合は、マイナスに転落する可能性が高まることになる。
2月23日-27日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。